長崎の高島炭鉱 4/5   九州・長崎沖の高島炭鉱で活躍したトロッコ軌道(軌間610mm)

  高島炭鉱(22) 1975(S50).8.7

線路をたどって奥の方へ行くと、海底の炭鉱に通ずる斜坑がありました。
海底からは斜坑を使って、ウインチとケーブルにより炭車は引き上げられていました。


まず左の写真です。ちょうど炭車が地下から地上に顔を出したところです。
係員がケーブルと連結器のつなぎ目の所に水をかけています。炭車が地下から上がってくるたびに同じ作業をしていました(といっても2回見ただけですが・・・)私が思うに、ケーブルを外しやすくするための作業だと思いますが、いかがでしょうか。
写真(22→23→24→25→26)の順に海底から地上へ炭車を引き上げます。

  高島炭鉱(23) 1975.8.7

の写真は、その炭車が上の方へ引き上げられていく途中です。
海底で掘った石炭を満載しています。

 
  高島炭鉱(24) 1975.8.7

上の写真の反対側を見ると、の写真になります。炭車はウインチにより高い位置へ引き上げられています。写真で見ると炭車が10両ほど連結されています。
地下と地上の境目にポイントがあり、上へ引き上げられた炭車がポイントを通過した時点で一旦止まり、ポイントを切り換え、今度は地上側へ降ろし始めます。
  高島炭鉱(25) 1975.8.7

上の(23)
と似たような写真ですが、炭車の通るレールが違うのがわかります。
海底から引き上げた炭車を、ポイントを切り換え地上側に降ろします。
続いて(26)の写真になります。

  
  高島炭鉱(26) 1975.8.7

係員が炭車の最後部に乗り、連結器からケーブルを外しています。
ケーブルから切り離された炭車は、ゆるい勾配により自走していきます。

外したケーブルは、空の炭車に連結して、先ほどと逆の行程で地下へ降ろされて行きます。
たぶん地下には長い路線網があったため、ベルトコンベアにせず、トロッコで運んでいたと思われます。

  
  高島炭鉱(27) 1975.8.7

この写真の右に写っている蒲鉾型の屋根の中が、海底へ通ずる斜坑の入口だと思います。
  高島炭鉱(28) 1975.8.7

上の写真(27)の反対側です。

斜坑から出た炭車(満載)と、斜坑へ入る炭車(空車)がここを通ります。

中の2線は、斜坑から出た石炭満載の炭車が、画面の向こう側へ、緩い勾配をゆっくりと下っていきます。

外側の2線は空の炭車が画面向こう側から手前側に、逆の緩い勾配を下ってきます。

写真を順番に見ていただければ、何となく流れがわかると思いますが、うまく考えられたシステムですね!
 

高島炭鉱(29) 1975.8.7

上の写真(28)と同じ場所、望遠レンズでアップで撮りました。


 
 

高島炭鉱(30) 1975.8.7

石炭満載の炭車は、このあたりで1両ずつに切り離され、チップラーと呼ばれる貨車全体をひっくり返して積み荷を降ろす装置へ向かいます。緩い勾配を利用して、無動力で自走していきます。


積み荷を降ろした空車は押し返され、ジェットコースターの駆動部分のような装置でハンプに押し上げられ、緩い勾配で外側の線を戻ってきます。戻ってきた鉱車は、このあたりで連結され、再び地底へと下ろされていきます。
 

  高島炭鉱(31) 1975.8.7

この場所にいると、絶えず炭車が音もなく整然と移動しているという感じがしました。
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