津島軽便堂写真館

筑豊の鉄道 2  日田彦山線、伊田線、田川線、後藤寺線   筑豊の鉄道1 筑豊の鉄道3

↑国土地理院1/5万『後藤寺』昭和38年発行に一部加筆

田川市付近の地図です。線路が入り組んでいました。添田線と貨物用の支線は廃止されましたが、日田彦山線と後藤寺線は残り、伊田線・糸田線・田川線は平成筑豊鉄道へ転換され残っています。伊田駅の南側には三井炭鉱の専用鉄道(ナロー)も記載されていました。

←2-① 日田彦山線 採銅所~香春 1970(S45).8.5

香春に向かうD51牽引のセメント列車です。積荷が空で下り勾配なので煙は出ていません。
2-② 日田彦山線

採銅所~香春 1970(S45).8.5

香春から小倉方向に向かうD51牽引のセメント列車です。
セメント満載で上り勾配のため煙を吐いて頑張っています。
2-③ 日田彦山線

採銅所~香春 1970(S45).8.5

上の写真②の逆方向から撮りました。C11牽引の客車列車で、当時の時刻表を調べると、門司13:43→香春14:50→日田16:47の729列車です。
下のダイヤ(S45.10)ではDC化されています。
↑日田彦山線ダイヤS45.10
    鉄道ファン117号より
門司・小倉方面~香春間に多くの貨物列車が運行されていました。
2-④ 日田彦山線 Nさん撮影

香春 1971(S46).7.26

香春岳(一ノ岳)を背景に、給水塔の横に佇むD51です。
上のダイヤのように、貨物列車は香春で折り返したので、香春駅の南端に転車台や給水塔がありました。

Nさんと一緒に勾金で写真を撮った後、香春まで歩き、12時頃に到着しました。
2-⑤ 日田彦山線 Nさん撮影

香春 1971(S46).7.26

香春で出発を待つセメント貨物列車です。
背景にはセメント工場の高い煙突が見えました。
↓伊田線ダイヤS45.10
    鉄道ファン117号より

直方~金田間に多くの貨物列車が運行されていました。金田は糸田線の分岐駅で、直方~後藤寺間の貨物列車は糸田線経由で運転、また、金田から三井鉱山セメント専用線が分岐していたためです。
2-⑥日田彦山線・田川線・伊田線

伊田 1970(S45).8.5

伊田(現・田川伊田)駅に停車中の石炭列車です。

伊田駅の南側(写真左)には、三井田川鉱業所があり、筑豊炭田最大級の炭鉱でした。炭坑節発祥の地とされています。
1964(昭和39)年に閉山になったとのことで、閉山後の情景です。
石炭積込用のホッパーや、竪坑櫓もかすかに写っていますが、もっと駅の情景を撮っておくべきだったと反省しています。
2-⑦ 伊田線

伊田 1971(S46).7.25

行橋8:20→直方9:49の423列車と思われます。伊田9:22発です。
C11が向かい合わせで客車を牽引していました。
田川線と伊田線を直通する列車で、当時は珍しかったのですが、現在は両線とも平成筑豊鉄道になり、大部分の列車が直通するようになりました。駅名も伊田→田川伊田に改称されました。
2-⑧ 伊田線

伊田 1971(S46).7.25

上の写真⑥と同じ列車を逆方向から見ました。
残念ながら機関車しか写っていません。広いヤードも見えますが、炭鉱閉山後、炭鉱施設が徐々に撤去されたようです。そのような情景を撮るべきでした…
2-⑨ 伊田線

直方~中泉 1971(S46).7.26

上の写真⑦⑧と同じ列車です。
走行写真を撮るため、翌日に遠賀川の橋梁(嘉麻川橋梁)で待ちました。

Nさんと一緒に八木山ユースホステル→バス→新飯塚8:10→勝野8:27着で、勝野駅からここまで歩きました。
2-⑩ 伊田線

直方~中泉 1971(S46).7.26

9600形が牽引するセメント貨物列車です。
 ↓田川線ダイヤS44.10
    鉄道ファン103号より

田川線は筑豊の伊田・後藤寺地区と港(行橋の近くの苅田港)を結ぶ短絡ルートだったので、石炭・石灰石などの貨物列車が多く運転されました。勾金→油須原が上り勾配で、貨物列車には補機が付きました。
2-⑪ 田川線

勾金 1971(S46).7.26

勾金を通過する長い編成の後補機付き貨物列車です。石炭と石灰石を輸送していました。
煙が良い感じでした。
上のダイヤで見ると460列車と思われます。
2-⑫ 田川線

勾金~油須原 1971(S46).7.25

9600形が石炭車(セラ)を牽引しています。編成が長くて後ろが見えませんが、後補機付きの貨物列車でした。

上の写真⑪と同じ460列車を前日に撮りました。
2-⑬ 田川線

勾金~油須原 1971(S46).7.25

上写真⑫の列車の後ろ姿です。通り過ぎた後、振り返って撮りました。
後補機も9600形でした。
編成の後ろは石灰石輸送用の貨車でした。
2-⑭ 田川線 Nさん撮影

勾金~油須原 1971(S46).7.25

香春岳を背景に、長い築堤を走る9600形の短い貨物列車です。
(本当は後補機付きの長い貨物列車をここで撮りたかった・・・)

機関車の向こう側の切り通しは、柚須原線の建設予定地でした。筑豊の石炭を行橋(苅田港)へ輸送するための短絡ルートとして建設開始されましたが、炭鉱の衰退により中断されました。
線路が敷かれることはないと思っていましたが、2003(平成15)年に赤村トロッコ柚須原線が開通しました。
2-⑮ 田川線 Nさん撮影

油須原~崎山 1971(S46).7.25

行橋から伊田に向かう貨物列車です。9600形の重連でした。
2-⑯ 田川線 Nさん撮影

油須原~崎山 1971(S46).7.25

行橋に向かう貨物列車です。
油須原から先は下り勾配なので、絶気運転です。
2-⑰ 田川線

油須原~崎山 1971(S46).7.25

田川線のお立ち台です。
油須原付近がサミットだったので、下り列車(行橋→伊田)は、ここが一番の撮影名所、上り列車(伊田→行橋)は上の写真⑭の場所が撮影名所でした。

C11牽引の客車列車で、当時の時刻表で調べると行橋13:35→伊田14:20→添田14:53の429列車で、田川線から日田彦山線へ直通しました。
2-⑱ 日田彦山・糸田・後藤寺線

後藤寺 1971(S46).7.26

駅のすぐ近くにボタ山があった後藤寺駅(現・田川後藤寺)です。
日田彦山線、糸田線、後藤寺線が分岐する要衝で広い構内でした。

写真は後藤寺線のホーム端から北を向いて撮った写真で、後藤寺線はすぐ左に分岐。糸田線はトラスの陸橋を潜った後ボタ山の手前を左へ分岐、日田彦山線は右奥から来て背面の添田方面へ抜けていました。
2-⑲ 日田彦山線

後藤寺 1971(S46).7.26

ボタ山を背景に到着する日田彦山線の客車列車です。
当時の時刻表で調べると、後藤寺14:31着の添田行き429列車で、上の写真⑰と同じ列車(翌日)です。
2-⑳ 日田彦山線

後藤寺 1971(S46).7.26

後藤寺を出発した貨物列車の後ろ姿です。9600形の後補機付きでした。右奥方向へ進んでいるので、伊田から田川線へ直通する貨物列車です。
2-(21) 糸田線 Nさん撮影

後藤寺 1971(S46).7.26

後藤寺を出発した貨物列車の後ろ姿です。
糸田線経由で直方に向かう貨物列車です。
赤い陸橋をくぐった後、左方向へカーブしていきました。
2-(22) 後藤寺 1971(S46).7.26  Nさん撮影

後藤寺構内で入換をする9600形とセフ(石炭緩急車)です。

 
2-(23) 後藤寺線 後藤寺 1971(S46).7.26  Nさん撮影

船尾方面から到着する後藤寺線の貨物列車です。
手前の、並んだ腕木信号機が壮観でした。
2-(24) 後藤寺線

 後藤寺 1971(S46).7.26

左上の写真(23)の列車が通り過ぎた後、振り返って撮りました。
9600形が背中合わせの重連でした。右のホームには後藤寺線の列車が停車中です。
この奥の方には後藤寺機関区があったのですが、そこは訪ねていません。
2-(25) 後藤寺線

 後藤寺 1971(S46).7.26

後藤寺線の貨物列車を牽引してきた機関車69632が機廻し入換です。
2-(26) 後藤寺線

後藤寺~船尾 1971(S46).7.26

船尾には石灰石鉱山やセメント工場があり、後藤寺~船尾間には貨物列車が多数運転されていました。
その区間で一番有名な撮影地が、この中元寺川の橋梁でした。
9600形がバック運転の重連で後藤寺に向かいます。
2-(27) 日田彦山線

豊前川崎 1971(S46).7.27

豊前川崎駅の夕暮れです。石炭列車が後藤寺方向へ出発していきました。
その横には立派な石炭積込施設がありました。
線路を跨ぐ橋は、石炭輸送のベルトコンベア用と思われます。
2-(28) 添田線

添田 1970(S45).8.5

添田を出発する添田線のC11客車列車です。
右の築堤は日田彦山線で、この駅で合流していました。

この日は仲間(railbusさんなど)と一緒に香春から添田線を乗り潰し、その折返し列車を撮りました。
2-(29) 香月線

香月線列車内 1971(S46).7.25

香月線乗り潰しのために乗った列車の車内です。

夜行列車で小倉に到着、朝早い列車で香月に着いたと思いますが、頭がボーッとしていたのか香月駅で撮った写真がありません・・・

もっと情景写真を多く撮っておくべきだったという反省点もありますが、想い出に残る二度の九州旅行でした・・・
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参考図書:国鉄監修 時刻表1970(S45)年7月号 日本交通公社発行
     国鉄監修 時刻表1971(S46)年5月号 日本交通公社発行
     「鉄道ファン No.103」 1969(昭和44)年12月臨時増刊 交友社
     「鉄道ファン No.117」 1971(昭和46)年1月臨時増刊 交友社