札幌市電 1/2 1970年代の札幌市電 札幌市電2へ
札幌市電① Nさん撮影 札幌駅前~北大正門前 国鉄跨線橋 1971(S46).3.31 札幌駅の少し西で、札幌市電が国鉄線の上を越していました。 7系統、[すすきの→札幌駅前→北37条]です。札幌市電の花形スターA830形が北に向かって走り去りました。 1965(昭和40)年に6本製造されたこの美しい連接車は、翌年ローレル賞を受賞、1976(昭和51)年まで使用されたあと引退し、3本が名鉄に譲渡され、モ870形として美濃町線で活躍しました。→美濃町線4 この電車が美濃町線に登場した頃の写真は→「はなぶさに集まる仲間たち」をご覧ください。駅長さんの素晴らしい写真があります。 左は、Nさんの北海道旅行の時の写真です。Nさんもこの頃はまだ市電に興味はなく、蒸機を追いかけていました。美唄鉄道から戻って札幌に泊まり、三美運輸へ行く朝、格好いい市電を1枚撮りました。 |
左の札幌市電路線図は、1972(昭和47)年の札幌市電路線図です。 「世界の鉄道'73」S47.10朝日新聞社編掲載図へ1971(昭和46)年に廃止となった路線を緑線・青線で追記しました。 なお、現在は黒線区間のみが営業中です。西4丁目~すすきのを結んでループにする計画もあるようですが・・・ |
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札幌市電② 札幌駅前~北大正門前 1968(S43).8.8 railbusさん撮影 上の写真①と同じ国鉄の跨線橋です。①の2年半前です railbusさん北海道旅行の時の写真です。 railbusさんは蒸機を求めて北海道旅行をしました。当時の北海道は蒸機全盛時代でしたが、札幌市電もしっかり撮りました。ご覧ください。 |
札幌市電③ railbusさん撮影 札幌駅前 1968(S43).8.8 札幌駅前を走る600形617号です。 600形は1949~1951(昭和24~26)年に20両が製造され、1971(昭和46)年に廃車となりました。 当初は3枚窓でしたが、1枚窓に改造されました。 横を走るのは札幌市営バスの32系統。まさか市バスが全滅することになるとは誰が予想したでしょう! 【2004(H16)年に民間へ譲渡、政令指定都市(=人口50万人以上)で市営バスが消滅した初のケース】 左が国鉄札幌駅で、1972(昭和47)年開催の冬期オリンピックの看板が立っています。奥にある日通のUFOのようなシンボルが面白いです。 |
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札幌市電④ railbusさん撮影 札幌駅前 1968(S43).8.8 札幌駅前を出発していった札幌スタイル(丸みの強い正面1枚窓デザイン、前照灯はオデコとオヘソの2灯)の250形253号「北24条」行きです。 この交差点を右に曲がると国鉄の跨線橋です(上の写真①②)。 この電車も右に曲がります。 真っ直ぐ行くと中央市場通方面です。 |
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札幌市電⑤ railbusさん撮影 北大正門前 1968(S43).8.8 貴重な路面ディーゼルカーD1034号の写真です。 パッと見ただけでは、他の札幌スタイル市電と同じように見えますが、集電装置がありません!床下も廃熱のため開口部が大きくなっています。 札幌市電の鉄北線の北27条より北は1963(昭和38)に非電化で開業し、当初は「路面ディーゼルカー」が運行されましたが、1967(昭和42)年に全線電化されました。 路面ディーゼルカーは14年でその本来の使命を終えましたが、一部は電化後も残り、このように架線の下で活躍していました。しかし暫く後に姿を消しました。 ディーゼル市電は全部で16両製造され(D1000・1010・1020・1030・1040形)、このD1030形は7両の最大グループでした。D1034号は、後に連結車A870形に改造されました。 |
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札幌市電⑥ railbusさん撮影 D1031号車内 1968(S43).8.7 路面ディーゼルカーの車内です。 railbusさんのコメントは「ちょっと床が高かったような記憶がありますが、気のせいかも」 一見して、他の市電と変わらないように見えますが、床面のトラップドア(点検蓋)の位置が電車と少し違うかな? |
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札幌市電⑦ railbusさん撮影 道庁前 1968(S43).8.8 苗穂線の起点の道庁前です。 駅前通りを走る西4丁目線(札幌駅前~すすきの)から分岐したところが道庁前電停です(交差点の東・写真左奥方向)。 レンガ造りの道庁は、背面側です。 この少し右(南)が、グランドホテル前電停です。 昭和32年に製造された320形321号です。正面3枚窓で中央が固定、左右の2枚は外へ開くことができ、写真の321号は正面窓を開けているのが分かります。 側窓も全開ですから、北国の夏も暑かったのですね。 この翌年(S33)に製造された330形から正面1枚窓の札幌スタイルになりました。 |
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札幌市電⑧ railbusさん撮影 グランドホテル前 1968(S43).8.8 200形202号の臨8系統「苗穂駅前」行きです。 200形は、上⑦の320形と同じ昭和32年製の電車ですが、こちらは旧型車の台枠や主要機器を再利用して製作されたということです。1971(昭和46)年に全車廃車となりました。 |
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札幌市電⑨ railbusさん撮影 グランドホテル前 1968(S43).8.8 正面2枚窓の560形570号です。 560形は1971(昭和46)年に廃車となりました。(一部の電車は連結車A870形に機器を供出しました) |
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札幌市電⑩ railbusさん撮影 三越前 1968(S43).8.8 700形702号です。 札幌スタイルの電車ですが、路面ディーゼルカーを電車化したという異色の経歴があります。 700形は、D1000・1010形の車体に550形の台車・機器を装備した電車です。 この交差点の北側(写真左手前)に三越前の電停があり、西側(写真右)に西4丁目の電停がありました。 札幌市電で唯一、線路が十字に交差する場所で、北から西への渡り線もありました。 交差点の北西角から見た写真です。 |
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札幌市電⑪ Nさん撮影 三越前(西4丁目) 1972(S47).3.27 上の写真⑩の3年半後の三越前・西4丁目交差点です。 交差点の南西角から見た写真です。 三越前~札幌駅前方面の路線が廃止となり、市電の十字交差がなくなり、交差点を西から南への渡り線が新設されました。 すすきの方面(写真右)に向かう市電333号です。 2系統、[教大-西4-教大]と幕に書いてあり、ループ運用だったことが分かります。 1958(昭和33)年に登場した330形は、札幌スタイルと呼ばれる丸みの強い正面1枚窓デザインの最初の電車です。 |
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札幌市電⑫ Nさん撮影 三越前(西4丁目) 1972(S47).3.27 1系統、[円山公園-丸井前-一条橋]の電車が西4丁目交差点を直進します。 なお、丸井前の丸井は、○の中に井です。 210形は、330形より少し後に出来た、札幌スタイルの電車です。 210~250形は、同じスタイルで私には区別が付きません。一部の電車は、改造されて現在も活躍しています。 |
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札幌市電⑬ Nさん撮影 三越前(西4丁目) 1972(S47).3.27 すすきの方面から西4丁目の交差点を曲がってくる連接車A810形です。 臨2系統、[西線16条-西4-静修学園前]の電車です。 |
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札幌市電⑭ Nさん撮影 一条橋 1972(S47).10.15 一条線の終点、一条橋です。 遠くに、大通公園のテレビ塔が見えます。 正面3枚窓の320形323号が停車中です。 Nさんは、夜行で道東の蒸機撮影に向かう前に撮りました。 |
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札幌市電⑮ Nさん撮影 新琴似駅前 1973(S48).10.15 札幌市電・鉄北線の終点・新琴似駅前です。 札幌市電の北端でした。 上の写真⑤の1年後です。このときも、Nさんはこのあと夜行で道東の蒸機撮影に向かいました。 |
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札幌市電⑯ Nさん撮影 北24条 1973(S48).10.21 北24条の電停に停車中の231号です。 手前に幌北車庫への入庫線が写っています。 1971(昭和46)年12月16日に、北24条~真駒内のゴムタイヤ地下鉄が開業し、北24条から札幌駅前方面の路線が廃止となり、市電の路線が分断されてしまいました。(上の路線図参照) この路線に並行して、地下鉄が北24条~麻生を延長したのは1978(昭和53)年ですが、それを待たず1974(昭49).5.1に廃止となりました。 |
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札幌市電⑰ Nさん撮影 幌北車庫 1973(S48).10.21 北24条の近くにあった幌北車庫です。 正面2枚窓の連結車A850形です。文字通りの連結車で、連接車ではありません。 ボギー車の570形・580形を連結車化したということです。 |
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札幌市電⑱ Nさん撮影 西4丁目 1973(S48).10.21 西4丁目電停の248号です。 ここから東は、1973(昭48).4.1に廃止されました。その約半年後の写真です。約41年前の写真ですが、幕に表示されている[西4丁目-教大-すすきの]の路線は現在も健在です。(教大の電停名は変わりましたが) |
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札幌市電⑲ Nさん撮影 すすきの 1973(S48).10.21 すすきの交差点のシンボル「ニッカウヰスキー」の看板と246号です。 |
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札幌市電⑳ Nさん撮影 教育大学前~ロープウェー入口 1973(S48).10.21 カーブを曲がる、路面ディーゼルカーから改造された700形電車です。 右手前の線路は車庫(電車車両センター)への入出庫線です。 現在は、この左側に「電車事業所前」電停が出来ました。「教育大学前」電停は「中央図書館前」に名前が変わりました。 |
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札幌市電(21) Nさん撮影 電車車両センター 1973(S48).10.21 車庫で休むA830形のトップナンバーA831-832号です。 美しい路面電車でしたが、路線が縮小され、活躍の場は狭くなっていました。 1976(昭和51)年に連接車の運行がなくなり、若番のA831~836の3本は翌年休車となり、ここに長く保管されていましたが、1984(昭和59)年に廃車・解体されたということです。 →Wikipedia(札幌市交通局A830形) |
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札幌市電(22) Nさん撮影 電車車両センター 1973(S48).10.21 1963(昭和38)に登場した、札幌市電初の連接車A800形です。 3本製造されました。 オーバーハングが大きいので先頭部がかなり絞られ、独特の前面形状です。 側面窓がバスのような横引き式になっています。 →Wikipedia(札幌市交通局A800形) |
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2014(H26).9.10renewal | |
2014(H26).8.12up | |
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参考図書: 「世界の鉄道'73」 朝日新聞社 1972(昭和47)年10月発行
「日本鉄道旅行地図帳1号・北海道」 新潮社 2008(平成20)年5月発行