大分交通　耶馬溪線　1/2

大分交通耶馬溪線の地図 大分交通耶馬溪線は、中津から耶馬溪を通り、守実温泉まで36.1kmを結ぶ鉄道でした。
耶馬溪線の野路～守実温泉25.7km(左図水色の線)は1971(昭和46)年10月1日廃止となりました。
残された中津～野路10.4km(左図の赤線)も1975(昭和50)年10月1日に廃止となりました。(最終運行が9/30)

私が、大分交通耶馬溪線を訪問したのは1975(S50)年の8月8日で､全線廃止の約2ヶ月前した。
既に野路～守実温泉は廃止され、大分県内にあったいろんな路線(別大線･宇佐参宮線･国東線)も昭和40年代に廃止になっており､中津～野路だけが残っていました。

諸先輩の写真を拝見すると､耶馬溪線が守実温泉まで走っていた頃は、風光明媚な路線を、機関車が牽引する混合列車や､様々な気動車や客車が活躍していて、うらやましい限りですが、そのような時代は既に過ぎ去っていました。
しかし、残された区間にもまだまだ見所はありました。
廃止の迫った大分交通の写真をご覧ください。
左図の○の駅付近で撮りました。

左の地図は､国土地理院1/20万｢中津｣S46.4.30発行
↓大分交通①　中津　1975(S50).8.8

中津駅に停車中のキハ104号｢せきれい｣です。
隣の国鉄中津駅は既に高架化されていました。

大分交通②

　中津　1975(S50).8.8

中津駅の東にあった大分交通の車庫です。
102号｢かわせみ｣がいました。
車庫の横の、高架の国鉄日豊線の間に挟まれた線路が、野路へつながる本線です。



この前日に高島炭鉱を訪れ、長崎発22：57の門司港行き422列車に乗り、小倉経由で9時頃中津に到着しました。
大分交通③

　中津　1975(S50).8.8

車庫の中の602･604号です。
600形は4両いて､偶数番のこの2両は当初、国東線に配属され、国東線の廃止(1966(S41)年)に伴い､耶馬溪線に転属となったと書いてありました。
大分交通④

　中津　1975(S50).8.8

603号｢かじか｣もいました。
上の②の車庫を逆方向から見た写真です。

この603号と､上の③の604号は、大分交通の全線廃止に伴い､紀州鉄道へ譲渡され､603号は最近の2009(H21)年まで活躍していました。
｢かじか｣の名称板は消されていましたが･･･
大分交通⑤

　中津　1975(S50).8.8

601号｢やまびこ｣です。

これで600形が4両全部写真に撮れたことになります。
大分交通⑥　中津　1975(S50).8.8
　　車庫の中にいた102号｢かわせみ｣です。		  大分交通⑦　中津　1975(S50).8.8
　　車庫の横には廃車になった貨車が置いてありました。

大分交通⑧

大貞公園　1975(S50).8.8

中津10:13発の列車は大貞公園止まりでした。
10:21大貞公園に到着した104号｢せきれい｣です。

中津の車庫で上の②～⑦の写真を撮ったあと、この列車に乗り大貞公園まで来ました。
この当時、唯一の交換駅で、中津以外では、この駅だけ駅員がいました。
大分交通⑨

大貞公園　1975(S50).8.8

耶馬溪線の全盛期を偲ばせる風格のある立派な駅でした。

野路方から見た大貞公園駅の全景です。

この列車は､10:21に到着し､10:32に折返し中津行きとなって出発します。
 
大分交通⑩

大貞公園　1975(S50).8.8

上の⑨の逆方向、中津方から見た大貞公園駅全景です。

旧型の気動車と駅の風景がよく合っていました。
 
大分交通⑪

大貞公園　1975(S50).8.8

カラーでも1枚撮りました。
 
 大分交通⑫　大貞公園　1975(S50).8.8
　出発時間が近づき、お客さんが乗り込みます。		  大分交通⑬　大貞公園　1975(S50).8.8
　乗務員も準備を始め、間もなく出発です。

大分交通⑭

大貞公園　1975(S50).8.8

駅長の出発合図を受け、車掌が笛を吹いて、列車は出発します。


ローカル線から駅員や車掌がいなくなった今では見られない懐かしい光景です。 
大分交通⑮

大貞公園　1975(S50).8.8

10:32発の中津行き列車が定刻に出発しました。

車掌と駅長が敬礼を交わします。
鉄道らしさを感じる懐かしい情景です。
大分交通⑯

大貞公園　1975(S50).8.8

大貞公園の駅舎と駅前風景です。
大分交通⑯

大貞公園の時刻表　1975(S50).8.8

ローカル私鉄にしては、まずまずの運転本数でした。

時刻表で見ると､次の野路行きは11:39で、その列車に乗って野路に向かいました。


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参考図書：｢新･消えた轍10 九州･四国 -ローカル私鉄廃線跡探訪-｣寺田裕一著　ネコ･パブリッシング2011.7.30発行