津島軽便堂写真館

西鉄 宮地岳線  博多湾鉄道汽船の生き残り電車が走っていた頃       福岡市内線  福岡市内線2

西鉄宮地岳線は、福岡市内線の貝塚駅から出ていました。元を質せば1924(大正13)年に博多湾鉄道汽船が、新博多(後の千鳥橋)から和白間で開業したのが始まりでした。そのため、西鉄他路線の標準線路幅は1435mmですが、宮地岳線は1067mmでした。
千鳥橋
(旧・新博多・西鉄博多)~貝塚(旧・西鉄多々良・競輪場前)左図緑線が、1435mmに改軌、1500→600Vに降圧、複線化して市内線に組み込まれたので、宮地岳線の始発駅は貝塚駅になりました。
2007(平成19)年に西鉄新宮~津屋崎間
(左図青線)が廃止になり、残された貝塚~西鉄新宮間(左図赤線)が貝塚線と改称されました。
宮地岳線に博多湾鉄道汽船の生き残り電車がまだ走っていた1974~76(昭和49~51)年の写真をご覧ください。

←左の地図は、国土地理院1/20万「福岡」S47.9.30発行より。 宮地岳線の撮影最寄り駅を記入
西鉄宮地岳線① 貝塚 1976(S51).11.7

向こうに見える貝塚駅に向かう博多湾鉄道汽船デハ1形・8号の後ろ姿です。1929(昭和4)年の電化に合わせて日本車輌で製造された電車だそうです。
西鉄宮地岳線②

 貝塚 1976(S51).11.7

上の写真の少し後で、貝塚駅ホームに並ぶ博多湾鉄道汽船デハ1形・1号と8号です。

電車の詳細は
Wiki博多湾鉄道汽船デハ1形


宮地岳線のホームのすぐ向こう側に、福岡市内線のホームがありました。
西鉄宮地岳線③

 貝塚 1976(S51).11.7

津屋崎行きの1号が貝塚駅を出発しました。



↓左の写真の15年後です
  1991(平成3).10.25 Nさん撮影
  同じ方向を見ています。
西鉄宮地岳線④ Nさん撮影

 貝塚 1974(S49).3.30

貝塚駅ホームから北を見ました。
1号が到着します。
北の方に宮地岳線の車庫があり、その手前右に福岡市内線の車庫がありました。
西鉄宮地岳線⑤

貝塚~名島 1976(S51).11.7

宮地岳線の車庫の横を走る8号です。
この写真は一番上の①を撮る直前の写真です。
8号の貝塚方は貫通扉付きで、津屋崎方は非貫通だったことが分かります。

右に停まっている60号は、元国鉄の木造電車を鋼体化した制御車です。
Wiki西鉄50形電車
西鉄宮地岳線⑥

貝塚~名島 1976(S51).11.7

宮地岳線のお立ち台・多々良川に架かる名島川橋梁です。

右に鹿児島本線があり、宮地岳線の奧には博多臨港線があります。
西鉄宮地岳線⑦

貝塚~名島 1976(S51).11.7

この名島川橋梁は、1923(大正12)年に完成した径間12m、16連の鉄筋コンクリートアーチ橋で、橋長は211.8mの土木遺産です。

土木遺産・名島川橋梁
西鉄宮地岳線⑧ railbusさん撮影

西鉄新宮~古賀ゴルフ場前
        1974(S49).5.4

西鉄新宮駅を出た津屋崎行き7号は、林の中を走り、ゴルフ場に隣接した古賀ゴルフ場前駅に向かいました。
モ1形7号は、中央窓上に貫通扉の名残がありました。

2007(平成19)年4月1日に西鉄新宮~津屋崎間が廃止になり、この写真の区間は廃止されました。
西鉄宮地岳線⑨ railbusさん撮影

西鉄新宮~古賀ゴルフ場前
        1974(S49).5.4

モ20形23号とク50形?の編成です。
23号は、3扉の中間扉をふさいだ痕跡が窓付近にしっかり残っています。

モ20形は、大牟田線から転属してきた電車です。
Wiki九州鉄道17形
西鉄宮地岳線⑩ railbusさん撮影

西鉄古賀 1974(S49).5.4

鹿児島本線の古賀駅の近くにあった、西鉄古賀駅です。
交換駅でした。
8号の貫通扉側(貝塚方)が到着します。
西鉄宮地岳線⑪ railbusさん撮影

津屋崎~宮地岳 1974(S49).5.4

モ2号が津屋崎に向かいます。

この電車は、上の写真③④と同じ1形電車ですが、1961(昭和36)年に鋼体化され、張り上げ屋根の近代化された車体になりました
西鉄宮地岳線⑫ railbusさん撮影

津屋崎~宮地岳 1974(S49).5.4

モ2号が津屋崎で折り返してきました。

右の建物は津屋崎中学校(現存)で、終点・津屋崎駅の近くにありました。
セーラー服の女子中学生が良い感じです。
西鉄宮地岳線⑬ railbusさん撮影

津屋崎~宮地岳 1974(S49).5.4

津屋崎中学校の横を走るモ7号です。
自転車で競争するセーラー服の生徒も良い感じで、railbusさんお気に入りの写真です。
railbusさんのHPは

昭和40年代の蒸機「煙の出るアルバム」、名古屋市電、海外の路面電車、中国のトロリーバスなどを、ぜひご覧ください。
西鉄宮地岳線⑭ Nさん撮影

 津屋崎 1974(S49).3.30

終点・津屋崎駅のホームに停車中のモ1号です。
行き止まりの左側に駅舎がありました。
西鉄宮地岳線⑮

 津屋崎 1976(S51).11.7

津屋崎駅の駅舎です。ローカル線の終点を飾る立派な駅舎でした。

Wikipediaで津屋崎駅を調べると
1951(昭和26)年7月に宮地岳~津屋崎間延伸に伴い駅が開業。
1980年代に周辺道路整備に伴い、駅を貝塚方へ移動。
2007(平成19)年4月1日-廃止

この駅舎は、たぶん開業時のもので、1980年代の駅移転により姿を消し、写真右の方に建て替えられました。
(その新駅舎も路線廃止後解体されました)
この駅舎跡地は国道495号になったようです。
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参考図書: 「日本鉄道旅行地図帳12号・九州沖縄」 新潮社 2009(平成21)年4月発行