津島軽便堂写真館

池島炭鉱跡 1/2     池島炭鉱さるく訪問記     池島炭鉱跡2   大島炭鉱跡

①池島  三井松島産業100年の礎石(デジタルブックP28)より

池島炭鉱が現役時代の池島全景です。長崎県の西彼杵半島の西にありました。

私が池島を知ったのは、まだ最近です。
前に勤めていた会社の飲み仲間(非鉄系)から、「長崎の池島でトロッコに乗って炭鉱探検が出来て面白かった」と教えてもらいました。
早速インターネットで調べました!→長崎さるく(池島炭鉱さるく)

午前コース10:45~14:15と、午後コース14:15~15:45がありましたので、私は池島滞在時間の長い午前コースを選択し予約しました。
池島を訪問したのは、2014(平成26)年1月19日(日)でした。

その前日の朝、名古屋を始発の「のぞみ」で出発し、長崎へ昼頃到着し、その日は軍艦島クルーズで高島・軍艦島へ上陸しました。翌朝レンタカーを借りて、池島行きの船が出る大瀬戸港へ行きました。(長崎~大瀬戸港は約40kmです)
国土交通省・国土地理院
地図・空中写真閲覧サービス
1974/昭和49年度撮影
  CKU-74-20 C43-7より


②池島

池島炭鉱が現役時代の航空写真です。
赤字で追記したのは、現在の主な施設の位置です。

三井松島グループの池島炭鉱は、1959(昭和34)年に出炭開始、2001(平成13)年に閉山となりました。
島の西南方向の海底に長大な坑道網が延びていた海底炭鉱です。
詳細は→三井松島産業100年の礎石(デジタルブック)をご覧ください。


昔は港のある湾全体が鏡ヶ池と呼ばれた池で、そのため池島という名が付けられたということです。
炭鉱開発により、積み出し港建設のため、池の周りの右下部分を切り欠き、大型船が入れるようにしました。これにより、池島の名の由来の池はなくなりました。
池島炭鉱跡③ 2014(H26).1.19

池島炭鉱サルク午前コースに参加するため、大瀬戸港10:15のフェリーに乗りました。
絶好の天気で、快適な船旅です。
この船に乗っていたのは、池島炭鉱探検ツアー25人+その他数人でした。

池島が近づいてきました。
池島炭鉱跡④ 2014(H26).1.19

湾内に入りました。
炭鉱跡の施設が目に入ります。
中央手前が、船に石炭を積み込む「トリンマー」、その向こうが選炭工場です。

池島訪問前に、ネットでいろいろ調べました。
私が見た中で一番参考になったのが→「池島炭鉱 施設編」です。

しかし、それよりもビックリしたのは、池島の海底を走ったナローゲージの新幹線!軌間610mmで、なんとVVVF制御の「女神号慈海」号でした。
迷列車【九州編】#29「ドイツから来た女神」の動画です。
 →前編 →中編 →後編

この映像には感動しました。これを見て、あわよくば「女神号慈海」にも会いたいと思って出掛けたのです。
池島炭鉱跡⑤ 2014(H26).1.19

池島炭鉱坑内探検のスタートです。

池島港着10:45、三井松島リソーシスの元炭鉱マンのお出迎えがあり、約300m歩いて池島開発総合センターで炭鉱の概要説明とビデオを見たあと、参加者全員で予約した炭鉱弁当を食べました。
そのあと、ヘルメットを被り、長靴を履いてトロッコ乗り場まで歩きました。
(池島に到着してから約50分後です)
この写真は、その道中です。一番後ろから撮りました。全員がオレンジ色のリュックのようなものを背負っていますが、これはヘルメットに取り付けたキャップランプ用のバッテリーです。
手前に写っている人のヘルメット右の半円形の所がトロッコ乗り場です。
その右奥の古い構造物は、旧火力発電所です。
なお、このときの参加者は定員25人満員で、私と同行者2人+名古屋の会社の団体23人でした。
池島炭鉱跡⑥ 2014(H26).1.19

軌間610mmのトロッコ乗降場です。
トロッコ列車は、人車3両の両側にバッテリー機関車を連結したプッシュプル編成でした。
坑外の乗降場には、半円形の覆いがありました。坑内をイメージして作られたのでしょうか?ここは記念写真の撮影場所にもなっています。


なお、この写真は坑内探検を終わり、戻ってきてから撮った写真です(下の写真⑥~⑧も同じ)。往きは記念写真撮影後、直ぐに乗り込み出発で時間がありませんでした。
池島炭鉱跡⑦ 2014(H26).1.19

坑外トロッコ乗降場の周辺です。
黒いビニールハウスの所が乗降場で、線路は左方向に延びています。
手前の広場には廃車体が保存してありました。
この場所から向こう側は、ズリで埋め立てられた所だと思います。

昔のズリ捨て線を復活させて、坑内探検トロッコ列車を走らせていました。
池島炭鉱跡⑧ 2014(H26).1.19

人車を牽引する現役のバッテリー機関車です。
上の写真⑦の左側に写っている機関車で、逆方向から見ています。

線路は直ぐに左へカーブし、そのあと右にカーブし、坑内に入っていきます。
池島炭鉱跡⑨ 2014(H26).1.19

トロッコ乗り場の近くに保存されていた、バッテリー機関車と炭車です。
機関車の屋根が、上の写真⑧の機関車より低く、いかにも坑内用の機関車という感じです。
池島炭鉱跡⑩ 2014(H26).1.19

坑内探検のトロッコ乗り場付近から前方を見ています。
なお、往路は良い席が取れず、復路に一番後ろの席に座れましたので、⑩~⑬の写真は、復路に後ろ向きで撮った写真を逆順に並べています。
池島炭鉱跡⑪ 2014(H26).1.19

トロッコ乗り場を出ると、まもなく左に曲がります。
池島炭鉱跡⑫ 2014(H26).1.19

そのあと右に曲がり、坑内へ。左端に港のトリンマーが見えます。
池島炭鉱跡⑬ 2014(H26).1.19

まもなく、坑内に入ります。
池島炭鉱跡⑭ 2014(H26).1.19

坑内に入ったトロッコ列車です。
池島炭鉱跡⑮ 2014(H26).1.19

坑内風景です。分岐もありました。
池島炭鉱跡⑯ 2014(H26).1.19

トロッコ列車の終点(坑内乗降場)に到着しました。ここからは2班に分かれ、歩いて坑内探検です。
池島炭鉱跡⑰ 2014(H26).1.19

まず三井松島リソーシズの元炭鉱マンから池島炭鉱の坑道網の説明を受けます。
坑内見学コースは下記のとおりです(池島炭鉱サルクより)
水平坑道奥部電車停留所(下車) 坑道堀進跡(本物の巨大掘進機ロードヘッダー等) 石炭採掘現場復元箇所(採炭機ドラムカッター展示・ドラム模擬運転、穿孔(せんこう)機オーガー操作体験) 坑道内に設置された炭鉱操業時写真展示コーナー見学 坑内発破の映像、発破スイッチ模擬操作体験コーナ 坑内救急センター跡(緊急避難所) 水平坑道内電車停留所(乗車)
池島炭鉱跡⑱ 2014(H26).1.19  坑内風景です。 池島炭鉱跡⑲ 2014(H26).1.19  坑内風景です。
池島炭鉱跡⑳ 2014(H26).1.19  坑内風景です。

坑内の設備や機械の説明を受けながら歩きますが、私は線路の写真を中心に撮りました。
池島炭鉱跡(21) 2014(H26).1.19

黒いダイヤ・石炭の塊も見せてもらいました。
池島炭鉱跡(22) 2014(H26).1.19

坑道見学の一番奥の部分です。ここまで水平坑道でしたが、ここから斜坑になっていました。左側の線路はここから更に下がり海底炭鉱につながっていましたが、閉鎖されていました。
池島炭鉱跡(23) 2014(H26).1.19

斜坑の上の方を見ました。斜坑入口の明かりが見えます。本来の炭鉱の入口は、こちらの方で、これまで通ってきたルート(写真⑩~⑳)はズリ捨て列車用の線路だったようです。
池島炭鉱跡(24) 2014(H26).1.19

坑内のトロッコ乗降場に展示してあった写真パネルです。
・高速人車『女神号慈海』時速50km(炭鉱内用機関車では世界最速でトロッコの10倍の速度)
・マンベルト(坑夫を乗せて運ぶベルトコンベア・速度100m/分・一般の人は止めて乗降する)
など興味深い写真が展示してありました。
・左下の3重連の蓄電池機関車も気になります。
これで坑内見学が終了し、トロッコに乗り坑外へ戻りました。

デジカメのデータで当日の見学時間を調べると、
坑外11:37→(トロッコ)→11:42坑内到着。
 坑内を1時間10分見学し、
坑内12:51→(トロッコ)→12:55坑外到着。
盛り沢山な見学内容で、あっという間に時間が過ぎたという印象です。
午前の見学コースは、池島港14:15解散(14:17発の大瀬戸港行きフェリー)になっていますが、名古屋の会社の団体23人は池島13:17発の神浦港行きのフェリーに乗り、貸切バスで雲仙に向かうとのことでした。従って13時頃に見学者は私と同行者の2人だけが残されました。そのあと、元炭鉱マンの案内で、車に乗せてもらい島内見学をしました。(午前のコースに参加するとこのような特典があるようです)

島内見学の写真は次頁(池島炭鉱跡2)です。
 2014(H26).5.21up
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参考図書:三井松島グループ100年史「明日へつなぐ、百年の礎石」 2013(H25).1月 三井松島産業発行(デジタルブック)