津島軽便堂写真館

宮原線のC11  大分県と熊本県の県境の高原地帯を走っていた、美しいC11の記録

宮原線の地図
 ↑上の地図は、国土地理院1/20万「大分」 S46.4.30発行より
国鉄宮原(みやのはる)線は、久大本線の恵良から肥後小国まで26.6kmの路線でした。(左図の赤線)
分岐駅は恵良でしたが、列車は全て機関区のある豊後森から運転されていました。豊後森から終点の肥後小国まで走るのは1日3往復で、乗車するには難度の高い路線でした。ただし土曜日だけは通学用に昼間に1往復運転され1日4往復走っていました。
先輩のrailbusさんに引率されて2週間の九州SL撮影旅行の途中に宮原線を乗りに行きました。1970(昭和45)年8月1日の土曜日です(railbusさんは宮原線に乗ることを最優先[=土曜日に訪問]に旅行計画を組まれたそうです)。    ↓交通公社時刻表1970(S45).8月号より
高原を走りお客の少なかった宮原線は、国鉄再建法で特定地方交通線の第1次廃止対象路線となり、1984(昭和59)年に廃止されました
↓宮原線@ 肥後小国 1970(S45).8.1
   肥後小国駅停車中のC11191号です。

宮原線A

 肥後小国 1970(S45).8.1

豊後森から乗ったキハ20形単行運転で、高原列車の車窓風景を満喫し、肥後小国へ13:49に到着しました。
13:54に肥後小国を出発しましたので、滞在わずか5分です。
停車中の気動車orホームから撮ったC11191号の斜め後ろ姿です。
豊後森機関区の美しい機関車でした。

肥後小国には、石炭の積み込み設備と機関車駐泊所もありました。
宮原線B

 肥後小国 1970(S45).8.1

この写真は、たぶん肥後小国を出発する気動車の窓から撮ったと思います。
C11が、結構長い貨物列車の先頭に立ち、いつでも出発できるという感じでした。
宮原線C

麻生釣(あそづる) 1970(S45).8.1

大分県と熊本県の県境の峠にある高原の駅:麻生釣で途中下車しました。

周りに何もない麻生釣駅を出発していく豊後森行き気動車の後ろ姿です。

肥後小国に貨物列車が出発準備中でしたので、ここで途中下車して貨物列車を待つことにしました。
宮原線D

麻生釣〜北里 1970(S45).8.1

大分県と熊本県の県境の峠を目指してゆっくりと走るC11貨物列車です。

railbusさんの話では、宮原線の貨物列車は不定期運行で、土曜日に運行されるのは珍しいということでした。
思い返すと非常な幸運に恵まれていたと思います。
この場所で、3人くらいで待ち構えていましたが、当時ここで写真を撮る人はほとんどいなかったと思います。
機関士と機関助士が我々を見つけて、盛大に煙を出してくれました。
宮原線E

麻生釣〜北里 1970(S45).8.1

上の写真Dの続きです。

C11191号が近づいてきました。

この番号は何処かで見たような番号だと思っていましたら、この一つ前のC11190号が、現在大井川鐵道で元気に走っています。
宮原線F

麻生釣〜北里 1970(S45).8.1

上の写真DEの続きです。

豊後森機関区のC11191号です。

非常に美しい機関車でした。

九州の蒸気機関車は、きれいに磨かれていて全体的に美しかったですが、その中でも豊後森機関区の機関車が最もきれいでした。
黒光りという表現がピッタリする機関車でした。
宮原線G

麻生釣〜北里 1970(S45).8.1

上の写真DEFの続きです。

C11191号の貨物列車が通り過ぎました。
 
宮原線H

麻生釣〜宝泉寺 1970(S45).8.1

蒸気機関車を撮ってから1時間半後くらいでしょうか、キハ20単行の肥後小国行きがやってきました。
麻生釣16:09の列車です。
麻生釣から少し歩いて撮りました。

インターネットで宮原線の写真を検索すると、宮原線にはコンクリート製のアーチ橋がたくさんあり、廃止が迫った頃は撮影名所になっていたようです。
(駅から遠いので行きませんでした)
宮原線廃止後は、そのコンクリート製アーチ橋が国の登録有形文化財に指定され、廃線跡めぐりの名所になっているそうです。
宮原線I

麻生釣(あそづる) 1970(S45).8.1

麻生釣のホームから、北里方向を見た風景です。
上のHのキハ20が、肥後小国で折り返して麻生釣へ来るのは、約1時間後の17:08です。

麻生釣のホームで待っていると、日も傾いてきて、柴刈りのおばさん達が線路を歩いて帰っていきます。このあたりには人家がないので、まだ家は遠いと思われます。
宮原線J

 麻生釣 1970(S45).8.1

上の写真Iの場所から振り返るとホームがあります。

柴刈りのおばさんが、線路を宝泉寺方向へ歩いて行きます。
 
宮原線K

 麻生釣 1970(S45).8.1

このホームの向こうにも、もう一本ホーム跡が見えます。
貨物ホーム跡でしょうか?どんな貨物を出荷していたのか気になります。
 
宮原線L

 麻生釣 1970(S45).8.1

逆光写真でわかりにくいですが、豊後森行きのディーゼルカーが麻生釣に到着します。
時刻表を見ると、麻生釣17:08発の豊後森行きの上り最終列車!です。

この列車に乗り、豊後森に向かいました。
宮原線M

 宝泉寺 1970(S45).8.1

宝泉寺で1両増結しました。
増結した車両は、豊後森16:40発、宝泉寺止め(17:03着)の列車でした。
連結して2両編成になったこの列車(上りの最終列車)は、17:28に宝泉寺を出発します。

その折返しの、豊後森18:50発の列車が宮原線の下り最終列車です。
久大線1(大分→由布院)
久大線2(鳥栖→豊後中村)
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