津島軽便堂写真館

若松市電 /2  若松の繁華街~工場地帯の道路を走っていた貨物列車の記録

スキャナーでネガを再読込、画像を追加、リニューアルしました。
2018(H30).7.1
若松市営軌道は1936(S11)年に開業し、1963(S38)年に合併で北九州市営となり、1975(S50)年に廃止となりました。
繁華街の道路上を走る軌道でしたが、路面電車は走らず、電気機関車が引っ張る貨物列車だけが走っていました。
私が訪問したのは1975(昭和50)年8月ですから、廃止の少し前ということになります。

左の地図は、北九州詳細図(株)昭文社S57.9発行の一部です。
既に若松市電は廃止になっていましたが、私が所有する若松の地図はこれしかないため、
青線で線路を記入しました。
浜町車庫付近の線路配置は、写真と記憶を頼りに書き入れてみました。
中川通7丁目から北湊方面と、連歌浜・安瀬方面は行っていませんのでどうなっていたか不明です。
赤丸はチョットわかりにくい撮影地でA~Eの記号が振ってあります。写真の解説で出てきます。

昭和47年度私鉄要覧」(運輸省鉄道監督局監修)には、軌道(路面電車等)として「北九州市(企画局)」が掲載されています。
本 線:若松駅構内~北湊1.3km
浜十二番町支線:中川通7丁目~浜町0.5km、 埠頭支線:0.1km
連歌浜支線:中川通7丁目~連歌浜0.8km、連歌浜~安瀬1.3km
              計4.0km
摘要欄には、事業管理委託:日本通運株式会社S43.9.6認可、(貨物運輸)と記入されています。
若松市電① 若松駅付近 1975(S50).8.2

この日の朝、名古屋から「ひかり」、小倉から西鉄北九州線で戸畑、戸畑から若戸渡船に乗り、昼前に若松へ着きました。渡船を降りて、アーケードの商店街を歩いていたら前方の道路を貨物列車が横切って行くのが見えました。慌ててアーケードを通り抜け道路上を走る貨物列車の後ろ姿を撮りました。
(残念!1本前の渡船で着いていれば・・・)
若松市電②

若松駅付近 1975(S50).8.2

息を切らして上の写真を撮った後、汗を流しながら貨物列車が戻ってくるのを待ちました。

若松駅(写真右奥)から貨物列車が戻ってきました。この場所から道路上を走ります。
(左上の地図では、一番下の部分です)
道路を走る貨物列車は、当時はもうここだけになっていました。

この道路のすぐ向こうは海(洞海湾)で、大きな船が見えます。その向こうは対岸の戸畑です。

女子従業員が歩いていますので昼休みの風景ですね。
若松市電③

若松駅付近 1975(S50).8.2

貨物列車がゆっくりと近づいてきました。
車に追い越されます。
若松市電④

若松駅付近 1975(S50).8.2

ゆっくりゆっくり近づいてきました。
若松市電⑤

中川通り商店街 1975(S50).8.2

上の写真②~④を撮った後、通り過ぎた貨物列車を振り向いて撮りました。
信号機交差点の左角に百貨店があり、右側にアーケードの商店街つながる若松の繁華街でした。

前方に若戸大橋誘導路の橋が見えます。
この写真を撮った後、ゆっくり走る貨物列車を追いかけました。
若松市電⑥

中川通り商店街 1975(S50).8.2

若戸大橋誘導路の下をくぐり追いかけました。
映画館やパチンコ店などが並ぶ若松の目抜き通りを走ります。
(上の地図参照)

さすがに、これより先は追いつけず、線路をたどり貨物列車が行った先に向かいました。
若松市電⑦

浜町車庫 1975(S50).8.2

線路をたどっていくと分岐があり、右の方に行くと車庫がありました

車庫の中に2両と、車庫の外に1両の電気機関車がいました。

車庫の中には、5号と201号がいました。
若松市電⑧

浜町車庫 1975(S50).8.2

暑い日でした。
汗を拭きながら車庫を訪ねたら、冷たい麦茶をご馳走になり、生き返ったような気がしました。 

しばらく休憩させてもらいました。
若松市電⑨

浜町車庫 1975(S50).8.2

車庫の横に止まっていた電気機関車101号です。
日本鉄道自動車工業で1950(昭和25)年に製造された機関車です。

左側の建物が車庫です。

貨物列車(上の写真①~⑥)を引っ張っていた機関車ですね。

上の地図のDの付近です
若松市電⑩

浜町車庫 1975(S50).8.2

101号を反対側から見ました。
右側の建物が車庫です。
若松市電⑪

浜町車庫 1975(S50).8.2

おばさんが水撒きをする車庫の裏側です。
上の地図ではCの付近です
若松市電⑫

市電浜町 1975(S50).8.2

貨車から荷下ろし作業しています。 
上の写真⑪を撮った場所から反対側を見ています。

上の地図のAの付近です
若松市電⑬

市電浜町 1975(S50).8.2

すぐ上の写真⑫で荷下ろし作業をしていた貨車です。
貨車車票(貨車の側面に、行先・積荷等が記入され差し込まれた紙片)を見ると、白土を15t積んで、新潟県の中条を7月30日に出発し、いろんな機関車に牽引され、関門トンネルと若松の繁華街を通りここまで来た貨車であることが分かります。
行先が「市電浜町」となっています。着駅コードが9302です。
若松市電⑭

市電浜町 1975(S50).8.2

貨車の荷下ろしが終わった頃、電気機関車が入換にやってきました。
若松市電⑮

市電浜町 1975(S50).8.2

工場地帯の道路上で入換をする貨物列車は魅力的でした。
若松市電⑯

市電浜町 1975(S50).8.2

機関車+貨車が通り過ぎました。
車に気をつけながら右折します。右へ曲がると車庫の前に行きます。

上の写真⑮の逆方向の風景です。

遠方に見える山は、帆柱ケーブルが走る皿倉山です。
その手前にある道路をまたぐ橋は、若戸大橋の誘導路です。
若松市電⑰

市電浜町 1975(S50).8.2

浜町車庫の西側の風景です。

機関車は車庫の前で貨車を切り離し、ここで折返し、車庫の横を通って入換に向かいます。
若松市電⑱

市電浜町 1975(S50).8.2

上の写真⑰と同じ場所から少し右を見ました。

折り返した機関車が、車庫の左横を通って上の地図B地点に向かいます。
若松市電⑲

市電浜町 1975(S50).8.2

機関車は倉庫の並ぶ奥の方へ入っていきました。
上の地図B地点です。
これまた魅力的な風景でした。
若松市電⑳

市電浜町 1975(S50).8.2

機関車は間もなく戻ってきます。
このあとすぐ、道路を横断するのでサングラスのおじさん(誘導係)が交通整理を始めました。
おじさんの立っているすぐ後ろで、線路が平面交差しています。
若松市電(21)

市電浜町 1975(S50).8.2

上の写真⑳の続きです。
機関車は道路を横断し、車庫の横の路地のようなところへ入ってきます。

この線路用地は、近くの工場で働くパートのおばさんたちの通り道になっていたようです。勤め帰りのおばさんたちが機関車が通り過ぎるのを待っています。
上の地図のCの付近です。

この路地のようなところを走る未舗装の併用軌道は、私が大好きな鉄道風景でありますので、上の写真⑳を撮ったあと、走ってこの場所へ移動し待ち構えました。
若松市電(22)

市電浜町 1975(S50).8.2

機関車が近づいてきました。
右側の建物が車庫です。

これも上の地図C付近です。

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