南部縦貫鉄道 1/2 レールバスが活躍していた昭和48年春の風景です
南部縦貫鉄道は、野辺地から七戸まで20.9kmのレールバスが活躍する鉄道でした。 1966(S41)年に会社更生法が適用され、いつ廃止になってもおかしくない鉄道でしたが、何故か1997(H9)年5月5日まで営業運転され、翌日から営業休止に、そのまま2002(H14)年に廃止となりました。 左の地図の青・赤線が南部縦貫鉄道です。 沿線開発を目的に1962(S37)年に開業で、東北の私鉄の中では比較的遅く開業しました。 開業時は国鉄東北本線の千曳に接続する千曳〜七戸(左図の赤線)の路線でしたが、東北本線の複線電化工事で、1968(S43)年に千曳付近が新線に切り替えられ、千曳駅も新線上に(新)千曳駅として移設されました。このため、国鉄から野辺地〜千曳の旧線を借り受け、千曳を西千曳に駅名変更し路線を延長しました(左図の青線)。 私が、この南部縦貫鉄道を訪問したのは1973(S48)年3月28日の1度だけです。Nさんと一緒に訪問しました。その写真をご覧ください。 そのときの印象では、列車本数も乗客も少なくて、近いうちに廃止になると思っていましたが、それから20年以上も存続するとは・・・ 左の地図は、国土地理院1/20万「野辺地」S44.11.30発行の一部です。 主要な駅と、撮影地に○を付け駅名を記入しました。 |
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↓南部縦貫鉄道@ 野辺地 1973(S48).3.28 野辺地に到着した始発列車です。折返し七戸行きの始発になります。 |
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時刻表で調べると、南部縦貫鉄道は当時1日5往復の旅客列車が走っていました。 七 戸 発 605 704 1310 1525 1730 野辺地着 641 741 1346 1601 1806 野辺地発 650 750 1410 1618 1820 七 戸 着 729 828 1445 1653 1855 |
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南部縦貫鉄道@ Nさん撮影 野辺地 1973(S48).3.28 1973(昭和48)年3月28日の早朝5:35に急行「八甲田」は野辺地に到着しました。私とNさんは下車し、南部縦貫鉄道に乗り換えるため、しばらく待ちました。 上のダイヤのとおり、南部縦貫鉄道は当時1日5往復で、始発列車は野辺地へ6:41に到着して、6:50に出発するダイヤになっていました。 野辺地に停車中のレールバス、キハ102号です。 この当時、国鉄のレールバスは既に廃車になっており、国内には、南部縦貫鉄道にだけ2両のレールバスがいました。 第2世代のレールバス(LEカー)が名鉄と樽見鉄道に登場したのは、これから10年以上後の1984(S59)年でした。 |
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南部縦貫鉄道A Nさん撮影 野辺地 1973(S48).3.28 まだ小荷物輸送は鉄道が主役の時代でした。 野辺地の駅では、たくさんの小荷物がレールバスに積み換えられました。 |
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南部縦貫鉄道B 野辺地 1973(S48).3.28 野辺地停車中のキハ102号です。 七戸行きの始発列車で、たくさんの小荷物と少ないお客を乗せて間もなく出発です。 私とNさんもこの列車に乗りました |
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南部縦貫鉄道C 102号車内 1973(S48).3.28 野辺地を出発したキハ102号の車内です。 前のほうは小荷物で占拠され、前扉からの乗降は出来ません。しかし、お客は少なく、車掌も乗っていますので運行には全く支障ありません。 野辺地を出発してしばらくは、東北本線と並行して走ります。ちょうど反対方向から青森行きの貨物列車がやってきました。 |
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南部縦貫鉄道D 102号車内 1973(S48).3.28 東北本線から別れ、西千曳に向けて走行中の車内です。 この区間は、新線切替で不要になった東北本線の旧線を借り受けて走っていますので、立派な線形です。 |
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南部縦貫鉄道E 後平 1973(S48).3.28 後平駅を出発し、煙を吐きながら七戸に向かう列車です。 我々の乗った列車は、天間林で列車交換します。その反対列車の走行写真を撮るため、後平で下車しました。 |
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南部縦貫鉄道F 後平〜西千曳 1973(S48).3.28 丘陵地帯を走るレールバスです。 写真奥の方が野辺地方面で、レールバスはそちらのほうに走り去っていきました。 当時は、ローカル私鉄に関しては情報が非常に少ない時代でした。何処で写真を撮るかは、まず乗ってみて景色のよいところで途中下車するしかありませんでした。 このときは、後平駅で下車し、この列車が通るまでの時間があまりなかったので、途中から走ったような記憶があります。 |
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南部縦貫鉄道G Nさん撮影 後平〜西千曳 1973(S48).3.28 残雪の丘陵地帯は、北海道の美瑛の丘のような感じです。 上の写真Fと同じ列車です。 この場所では、この1本撮っただけです。 |
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南部縦貫鉄道H 後平 1973(S48).3.28 後平に到着する七戸行きのレールバス101号です。 上の写真FGを撮ったあと、後平の駅まで戻り、七戸行きを待ちました。 |
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南部縦貫鉄道I Nさん撮影 後平 1973(S48).3.28 上のHと同じ列車で七戸行きです。 この駅から乗るお客さんもいたのですね。 トタン張りの待合室の向こう側には、上の写真Hを撮った私が隠れています。 この列車は、後平発8:08の列車でしたが、午前の最終列車(上のダイヤ参照)なので、南部縦貫鉄道を乗りつぶすため、この列車に乗り七戸に向かいました。 |
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参考図書:RM LIBRARY136「南部縦貫鉄道」寺田裕一著 ネコ・パブリッシング2010.12.1発行
「新・消えた轍2北海道・北東北-ローカル私鉄廃線跡探訪-」寺田裕一著 ネコ・パブリッシング2011.8.30発行