津島軽便堂写真館
松本製材(松本建設)の線路配置図

 軌間:508mm
 全長:約400m

1989~90(H1~2)年頃の線路配置
1993(H5)年には、右下の
青線の路線が撤去されていました。
写真を基に推測で描いてありますので間違い部分があるかもしれません。ご了承ください。

写真説明用にエリアを区分し
AHの記号を付けました。

松本製材(松本建設)のトロッコ 1/2         松本製材2へ

奥三河にあったトロッコの記録です。

レイル・マガジンNo.18「BEST・トロッコ」1985/06増刊号の表紙を飾り、「華麗なる松本兄弟の一日『松本製材』」という特集が9ページに渡り組まれていました。
その松本製材のトロッコの写真を、友人のUchiさんから提供していただきましたので、ご覧ください。

「BEST・トロッコ」発売後、30年近くなりますが、その頃私は鉄道趣味の長い休眠時代に入っていましたので、この本の存在も松本製材も知りませんでした。本は最近Uchiさんに見せてもらいましたが・・・
左の地図は国土地理院1/20万「豊橋」S42.6.30発行より
松本製材があった場所は、愛知県東加茂郡旭町東加塩で、今の地名は豊田市加塩町です。廃止になった名鉄三河線の終点・西中金駅から足助経由で約17kmの道程です。
松本製材(松本建設と名称変更)には、左図のように軌間508mmの線路が配置されていました。

Uchiさんは、松本製材)を3度訪問しています。最初が1989(平成元)年6月、2度目が1990(平成2)年5月、3度目が1993(平成5)年9月です。3度目に訪問したときには、線路が縮小されており、左図右下の貯木場付近の線路(青線で表示)は撤去されていました。また、橋を渡った対岸の加工所の建物も解体されていました。
↓松本製材① F→Eを見る 1993(H5).9.25 Uchiさん撮影
  南側から見た、鉄橋付近の全景です。
松本製材② Uchiさん撮影

 Hエリア 1989(H1).6.25

鉄橋の向こう側の加工所で休む、B型ガソリン機関車(GL)です。
岡崎のヨコタ自動車で製造された機関車です。
↓松本製材③ Uchiさん撮影

GLの先頭に付けてあった「ヨコタ」の銘板です。
松本製材④ Uchiさん撮影

 Hエリア 1990(H2).5.27

松本製材には、2両の機関車がいました。
上の写真②と見比べてください。形が違っていますね。
機関車がいるのは同じ場所です。
この機関車はB-B型のディーゼル機関車(DL)です。

「BEST・トロッコ」によれば、この機関車もヨコタ自動車製で、松本製材の社長が2両の機関車の設計図を書かれたということです。
松本製材⑤ Uchiさん撮影

 Aエリア 1989(H1).6.25

L型のDLで、B-B軸配置の珍しい機関車です。
このような急曲線で本領発揮できます。

「BEST・トロッコ」では、こげ茶色に塗装され、横には「松本製材」と記載されていましたが、赤色で「松本建設㈱」に変わっていました。
社名がこの間に変更されたのでしょうね。
松本製材⑥ Uchiさん撮影

 Aエリア 1990(H2).5.27

機関車のいるのは、上の⑤と同じ場所です。
こちらのB型GLには、「松本製材株式会社」の旧社名が記載されていました。

トロッコ路線の北端の終点です。南端の貯木場からトロッコで運ばれた木材は、ここで黄色のチェーンブロックにより下ろされます。
松本製材⑦ D→Cを見る  1990(H2).5.27 Uchiさん撮影

材木が立てかけられた横に、併用軌道風の線路がありました。
松本製材⑧ D→Eを見る  1993(H5).9.25 Uchiさん撮影

左の写真の場所から振り向いて見た写真です。ここから右へ分岐すると、すぐに鉄橋があります。
松本製材⑨ F→Gを見る  1990(H2).5.27 Uchiさん撮影

南奥のほうへ行くと、門型クレーンのある貯木場がありました。木材をここで貨車に積み込みます。
松本製材⑩ 貯木場エリア→Gを見る  1990(H2).5.27 Uchiさん撮影

左の写真⑨の逆方向から見ました。線路を横切る手前の1本のレールは門型クレーン用のものです。この手前にも貯木場がありました。

松本製材⑪ Uchiさん撮影

 G付近を見る  1993(H5).9.25

上の写真⑨⑩の3年後で、この当時の軌道の南側終点です。
トラックで運ばれてきた木材は、一旦この貯木場に降ろされます。そしてトロッコの貨車に積み込まれ、機関車に引っ張られて製材所の方(上の写真⑥)に運ばれていきました。

木材積み卸し用の黄色い門型クレーンは、左上写真⑨と同じ位置です。
この写真右側の、奥の貯木場へ延びていた線路は撤去されていました。

松本製材⑫ Uchiさん撮影

 F→Gを見る  1993(H5).9.25

左上の写真⑨と同じ場所から撮っています。
3年の歳月で、奥の貯木場へ延びていた線路がなくなっていました。
松本製材⑬ Uchiさん撮影

 Fエリア付近  1993(H5).9.25

建物と川に挟まれた細い線路を、幅の狭いGLが走ります。




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2013(H25).8.20up
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参考図書: レイル・マガジンNo.18 「BEST・トロッコ」1985/06増刊号 ネコ・パブリッシング 1985(昭和60)年発行