津島軽便堂写真館

黒部ルート見学会 2/2  ナローの上部軌道目当てで見学会に参加しました・・・   黒部ルート1

黒部ルート(21) 上部軌道

黒四発電所前 2012(H24).7.27

上部軌道終点の黒部川第四発電所前駅の駅名標です。

黒部峡谷鉄道(軌間762mm)の終点・欅平から、奥へ専用線で0.5km、そこから竪坑エレベータで200m上がったところにある樺平上部から黒四発電所前まで6.5kmの専用鉄道(軌間762mm)は「上部軌道」と呼ばれています。
詳細は
Wikipedia黒部専用鉄道参照
黒部ルート(22) 上部軌道

黒四発電所前 2012(H24).7.27

上部軌道の列車です。
13:10頃、真っ先に集合場所のホームへ行き、撮りました。

先頭は凸型バッテリー機関車でした。
ほぼ全線トンネルの路線のため、通常なら電化されるはずですが、上部軌道のトンネルは硫黄分が多く、電気設備が腐食するため非電化になっているとのことです。高熱隧道を通るので、内燃機関車も使用できないようです。客車も貨車も耐熱構造になっています。
黒部ルート(23) 上部軌道

黒四発電所前 2012(H24).7.27

上部軌道の列車です。
 ←凸□■□□□□□
    凸:バッテリー機関車
    □:客車 ■:貨車


ホームと反対側の側面です。
こちら側に客車の乗降扉はありません。(下の(27)の写真も参照)
黒部ルート(24) 上部軌道

黒四発電所前 2012(H24).7.27

凸型バッテリー機関車をアップで撮りました。
側面にBB72と記載されています。
黒部ルート(25)上部軌道 黒四発電所前 2012(H24).7.27

有蓋貨車ワ9号です。
黒部ルート(26)上部軌道 黒四発電所前 2012(H24).7.27

定員12人の耐熱客車ですが、10人乗るとかなり窮屈です。
黒部ルート(27) 上部軌道

黒四発電所前 2012(H24).7.27

間もなく黒四発電所前を出発します。
駅構内はトンネルの天井が高くなっていますが、駅を出るとトンネル断面が小さくなるようです。
黒部ルート(28) 上部軌道

黒四発電所前 2012(H24).7.27

上の写真(27)を撮った位置から終点側を振り返ると、こんな感じでした。
ナローの線路は行き止まりになっていました。
その突き当たりがインクライン乗り場です。
黒部ルート(29) 上部軌道

黒四発電所前 2012(H24).7.27

上の写真(28)の逆方向です。
仙人谷・欅平につながるトンネルです。

このトンネルの少し先で、中島みゆきさんが2002(平成14)年大晦日の紅白歌合戦でプロジェクトXのテーマソング「地上の星」を熱唱しました。(あまりの寒さで少し歌詞を間違えちゃいましたが・・・)
黒部ルート(30) 上部軌道

車内 2012(H24).7.27

トロッコ車内に掲示してあった「上部専用鉄道」=上部軌道の説明です。

これを読めば上部軌道の概要がわかります。
黒部ルート(31) 上部軌道

仙人谷 2012(H24).7.27

上部軌道は、ほぼ全線トンネルの中ですが、唯一仙人谷で黒部川を渡るためにトンネルから外へ出ます。
トンネルを出て鉄橋を渡りますが、豪雪地帯のため鉄橋は屋根付きです。窓も閉じれば、線路を密閉できるようになっています。
列車は、黒部川の橋上の仙人谷駅で停車し、全員が下車して橋の上から絶景を眺めました。
黒部ルート(32) 上部軌道・仙人谷 2012(H24).7.27  上部軌道の橋上から見た仙人谷ダム

(30)の説明文を読むと、上部軌道はこのダム建設用に敷設され、その後、黒四発電所前まで延長されたことがわかります。このダムで取水した水は導水路トンネルで欅平近くの黒部川第3発電所へ送られます。
黒部ルート(33) 2012(H24).7.27

橋上から仙人谷ダムの反対側を見ると、深い渓谷になっていました。


黒部ルート(34) 上部軌道

仙人谷 2012(H24).7.27

仙人谷の駅名標と時刻表です。

時刻表どおり毎日運転されているかどうかは知りませんが・・・
この写真を撮ったのは13:25頃ですから、見学団体列車は13:16発の定期8列車のスジで運転されていたようです。
黒部ルート(35) 上部軌道

仙人谷 2012(H24).7.27

黒部ルートご案内

駅名標・時刻表の横に掲出されていた「ルートご案内」です。
黒部ルート(36) 上部軌道

仙人谷 2012(H24).7.27

仙人谷の列車停車位置から後ろ(黒四発電所方)を見ました。
右の方へ分岐するのは、仙人谷ダムに向かう線路です。
黒部ルート(37) 上部軌道

仙人谷 2012(H24).7.27

絶景見物に降りた見学者がトロッコに乗り込んで、間もなく出発します。

これから先、高熱隧道を通り、阿曽原・折尾谷・志合谷を通過し、終点(起点)・欅平上部です。
黒部ルート(38) 上部軌道

欅平上部 2012(H24).7.27

上部軌道の終点(起点)、欅平上部に到着しました。
凸型機関車を切り放して、これから機回しを行うところです。
黒部ルート(39) 上部軌道

欅平上部 2012(H24).7.27

機回し入換中の機関車です。
列車の黒四発電所方に連結します。
黒部ルート(40) 上部軌道

欅平上部 2012(H24).7.27

竪坑エレベータです。
このエレベータで200m下の下部軌道とつながります。

上の写真(39)を撮った場所から逆方向を見ると、この写真です。

エレベータの中を線路が貫通し、向こう側に客車・貨車が見えます。欅平上部の留置線と思われます。

竪坑エレベータの向こう側で撮った写真が、すぐ下の(41)です。
黒部ルート(41) 上部軌道

欅平上部 2012(H24).7.27

竪坑エレベータ奥の留置線です。
客車と貨車が留置されていました。客車の向こう側に凸型機関車も見えます。

竪坑エレベータ(背面)に乗る前に、ここの右の通路を進みトンネルを出て、外の景色を眺めました(↓下の写真)。
すぐに戻って竪坑エレベータに乗ります。

黒部ルート(42)

竪坑エレベータ内 2012(H24).7.27

エレベータに乗り込み、上部軌道とお別れします。

向こう側が、上部軌道の欅平上部駅でその向こうが黒四発電所方向です。


なお、「黒部峡谷パノラマ展望ツアー」(設定期間2015.5.29~11.30、今年誕生したツアー)に参加すれば、欅平から奥の下部軌道と竪坑エレベータに乗れることになりました。
黒部ルート(43)

竪坑エレベータ内 2012(H24).7.27

エレベータ内に掲示してあった説明板です。
人荷用エレベータで、36人乗りです。
荷物の積載荷重は4.5tです。

このエレベータで、欅平上部から欅平下部まで200m下がりました。
黒部ルート(44) 下部軌道

欅平下部 2012(H24).7.27

黒部ルート見学会も、いよいよ大詰めです。
竪坑エレベータ下の欅平下部から、下部軌道に乗り込みます。
見学者30名と工事関係者が3両の客車に乗り込みました。14:00頃でした。

上部軌道に比べ車体はだいぶ大きくなっています。線路幅は同じ762mmですが・・・

この下部軌道は、一旦向こうの方へ行きますが、すぐにスイッチバックし、推進運転でトンネル内を約500m進み(写真左方向へ戻り)、トンネルを出たところが黒部峡谷鉄道の欅平駅です。
黒部ルート(45)

 欅平 2012(H24).7.27

見学者+工事関係者を乗せ、凸型電機が推進した列車が欅平駅に到着し、全員が下車しました。
これで、黒部ルート見学会が終了し、ここで解散となりました。
黒部峡谷鉄道欅平駅の長いホームの一番奥のところです。

最後に乗った客車(写真左)は2500形のリラックス客車で、黒部峡谷鉄道ではグレードが高く、乗車には別途料金が必要な客車ですが、乗降口上部に「専用」と書いてありますので、職員専用客車2550形です。
トロッコ車両カタログ(客車)参照
黒部ルート(46)

 欅平 2012(H24).7.27

上の写真(45)の続きです。
ホームで貨車から荷物を下ろしたあと凸電が入換です。

日本電力専用鉄道時代の昭和10年前後から使われているED凸型機関車ED9号です。かれこれ80歳になりますが、3両残っているようです。
トロッコ車両カタログ(機関車)

現在は欅平~竪坑エレベータ下の事業用列車や入換用に使われているようです。
黒部ルート(47)

 欅平 2012(H24).7.27

黒部ルート見学会最後の写真です。
黒部峡谷鉄道の箱形機関車EDM形です。欅平駅奥の方で入換をしていました。
この場所から長いホームを背面方へ戻り、降車ホームを通り越し、乗車ホームから14:37発の列車に乗りました。

私は、この翌日が尾張津島天王祭でしたので、宇奈月温泉・富山経由で直帰しました。
同行の3人は黒薙温泉の露天風呂に入って一泊しました。私も黒薙温泉で一泊し黒部峡谷鉄道の写真を撮りたかったのですが・・・

天候にも恵まれ、有意義な素晴らしい見学会でした。
同行してもらったrailbusさん・一路順風さん・Goさんと、関西電力・富山県に感謝しています!
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