津島軽便堂写真館

関東鉄道 鉾田線 1/2   機械式気動車が活躍していた頃の関東鉄道鉾田線(→鹿島鉄道)

関東鉄道鉾田線の地図 常磐線の石岡〜鉾田26.9kmを結んでいた私鉄は、鹿島参宮鉄道という名前で1924(大正13)年に開業(全通はその5年後)しましたが、 1965(昭和40)年に合併により関東鉄道鉾田線となりました。
1979(昭和54)年に関東鉄道から分離され、鹿島鉄道となりましたが、2007(平成19)年3月31日限りで廃止されました。
私が訪問したのは、1972(昭和47)年の8月で、関東鉄道鉾田線の時代でした。国鉄などから払い下げられた気動車が活躍していました。

左の地図は、国土地理院発行1/20万「水戸」 S43.4.30発行より
撮影の最寄り駅にを付け、駅名を青文字で記入しました
鉾田線@

 石岡  1972(S47).8.11

常磐線の石岡に到着したのは、1972(昭和47)年8月11日の夕方でした。
鉾田線のホームから車庫方向を見て撮りました。
左に写っているキハ411-412号は、元国鉄のキハ04形で、前面が2枚窓に、連結面が貫通化改造されていました。
右側のキハ42501号は、元国鉄のキハ07形です。その奥には元国鉄のキハ04形も写っています。
鉾田線A

 石岡  1972(S47).8.11

石岡の駅前旅館に荷物を預け、まもなく出発するキハ41007号を撮りました。

この41007号は、2両連結の後ろ側で、この気動車に乗って、次の東田中まで撮影に出掛けました。
乗って驚いたことに、2両目の運転台にも運転士が乗っており、先頭車の警笛の合図により、力行、ギアチェンジをしていました。

機械式ディーゼルカー(変速をギアチェンジで行う)は、この当時まだ中小私鉄に少し残っていて乗ったことはありましたが、単行運転ばかりでした。連結運転で、2両目の運転士が運転操作するのを初めて見て感激しました。

この当時の国鉄気動車は液体式と呼ばれたトルクコンバータ付きで、先頭の運転台から総括制御していました。初期の気動車は機械式でしたが、国鉄からは淘汰されていました。
鉾田線B

東田中  1972(S47).8.11

東田中で降りて、日が沈んだ頃に3両編成の石岡行きがやってきました(右に向かって走っています)。

機械式気動車の豪華3重連でした。
右から42502号(元国鉄キハ07形)、中間の流線形42202号(元東京横浜電鉄のキハ1形)、左が41007号(国鉄キハ04形)です。
41007号は、東田中まで乗ってきた気動車ですから、途中の何処かの駅で切り放され、石岡行きに連結されて戻ってきたと思われます。

真横から狙っていたら1両半しか画面に入らず、通り過ぎたところで、かろうじて2両+α入りました。

鉾田線C

東田中  1972(S47).8.11

湘南形の気動車712-713号です。
当時の鉾田線の最新鋭車両でした。
元は三井芦別鉄道の気動車でしたが、同線廃止に伴い1972(S47)年に鉾田線へやってきました。
鉾田線で活躍を始めた頃の写真ということになります。

トルコン付きで総括制御のできる気動車です。

 
鉾田線D

東田中  1972(S47).8.11

薄暗くなってきたので、そろそろ宿へ向かおうと思った頃に、格好いい流線形42202号の鉾田行きが来ました。
待った甲斐がありました。
鉾田線E

 桃浦  1972(S47).8.12

霞ヶ浦の湖畔を走る、流線形のキハ42202号(右)と、キハ41004号です。

石岡の駅前旅館に泊まり、翌日鉾田線に乗り、湖畔の駅で降りました。
当時、蒸気機関車の撮影地ガイドはありましたが、ローカル私鉄についてはどこで撮ってよいかわからず、とりあえず乗ってみて景色のよいところで途中下車するしかありませんでした。
景色のよい湖畔の駅で降り、小高い丘に登って待っていたら、流線形がやってきました。
鉾田線F

 桃浦  1972(S47).8.12

上の写真Eの続きです。
あこがれの流線形ですから、写真を続けます。
鉾田線G

 桃浦  1972(S47).8.12

上の写真EFの続きです。
茅葺き屋根の家もありました。
鉾田線H

 桃浦  1972(S47).8.12

次の列車は食パンのような気動車でした。
元東京横浜電鉄(現:東急)のキハ1形→関東鉄道キハ42201号で、元々は上の4枚に写っている42202号と同じ流線形でしたが、無残にも切妻形に改造され、車号も651号となりました。
鉾田線I

 桃浦  1972(S47).8.12

続いてDD13タイプのディーゼル機関車が牽引する貨物列車がやってきました。

この列車を待っているときに、時々ジェット機が上空を通過しました。
♪今日も飛ぶ飛ぶ霞ヶ浦にゃ・・・♪ですね!

霞ヶ浦を眺めながら、のんびりと過ごしましたが、この写真を撮ってから丘を下りました。
鉾田線J

 桃浦  1972(S47).8.12

湖畔を走る、三井芦別鉄道からやってきた湘南形のキハ712-713号です。
 
鉾田線K

 桃浦  1972(S47).8.12

暑いお昼頃に桃浦へ到着する651号です。
待っているお客さんも暑そうです。
Hゴムで密閉された前面窓の運転台も暑そうです。


この石岡行き列車を撮った後、反対方向の鉾田行きに乗って桃浦をあとにしました。
 2012(H24).5.3up
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参考図書:
  RM LIBRARY 106 「鹿島鉄道−鹿島参宮鉄道・関東鉄道鉾田線−」白土貞夫・中川浩一著 ネコ・パブリッシング 2008.6.1発行
  「新・消えた轍4関東-ローカル私鉄廃線跡探訪-」寺田裕一著 ネコ・パブリッシング2010.7.30発行