上磯 日本セメント専用線 1/2 函館の近くに、電気機関車が活躍する専用鉄道がありました。
北海道の江差線・上磯駅の近くに専用鉄道がありました。 昭和47年度「私鉄要覧」運輸省鉄道監督局監修によれば、 日本セメント株式会社 敷設の目的:セメント原料輸送 目的外使用:従業員の家族輸送 動力:電気 軌間:1,067mm 峨朗セメントより譲受 ・上磯駅〜工場 0.5km 運輸開始 大2.9.8 ・工 場 〜峨朗 6.6km 〃 昭23.9.21 ・峨朗線起点0.6km〜万太郎沢 3.4km 昭29.6.1 (辞書で調べると、「峨」と「峩」は同じ漢字ということです) 非電化の国鉄ローカル線から、電化された専用線が出ていた数少ない例です。 このローカルな江差線の上磯付近も、今は津軽海峡線の一部となり電化され、北海道の物産を首都圏へ運ぶ貨物列車や、特急「白鳥」の走る幹線になりました。隔世の感があります。 この専用鉄道については、編集長敬白2008.2.11をご覧ください。 この鉄道は、電気機関車を9両も所有していて、そのうちの3両はB形の凸型電機で、1922(大正11)年の改軌・電化で導入された汽車会社&東洋電機の記念すべき第1号電気機関車ということです。 この専用鉄道が廃止されたのは1989(平成元)年の秋でした。 左の地図は、国土地理院1/20万「函館」 S41.5.30発行より 峩朗線を青でなぞりました。万太郎沢線が記載されていませんので赤線で記入しました。 |
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←上磯@ 1972(S47).4.6 Nさん撮影 上磯を出発する函館行きの客車列車です。 Nさんが上磯を訪問した1972(昭和47)年には、まだ江差線に蒸気機関車の引っ張る客車列車が走っていました。 |
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↓上磯A 1972(S47).4.6 Nさん撮影 日本セメント工場内の箱形の9号電気機関車です。 後方に写っている築堤の線路が、国鉄江差線です。 |
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上磯B 1972(S47).4.6 Nさん撮影 工場内で1号機関車が、貨車をつないで待機しています。 貨車も小型で、機関車とよくマッチしています。連結器も朝顔型で、軽便鉄道のようなムードですね。 右の方には、チョット大型の8号機関車が停まっていました。 |
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上磯C 1972(S47).4.6 Nさん撮影 凸型の1号機関車です。 パンタを上げました。 可愛らしいですね。 1922(大正11)年の改軌・電化で導入された汽車会社&東洋電機の記念すべき第1号電気機関車ということです。 貫通ブレーキがなく、車輪の間に電磁吸着ブレーキが付いています。 |
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上磯D 1972(S47).4.6 Nさん撮影 専用線の上を越す国鉄線から鉱山側を見た風景です。 2号機関車が貨車を引っ張って、鉱山から戻ってきました。 貨車の少し後ろで、線路が2方向に分かれています。 右が峩朗線、左が万太郎沢線です。(上の地図参照) 前述の編集長敬白によりますと、峩朗線は峩朗鉱山から石灰石原石を、万太郎沢線は万太郎沢鉱業所から粘土を運搬するのが主目的でした。 メインの峩朗線のほうは、並行してベルトコンベアができて、鉄道による輸送量は1973年以降大幅に減少と記述されています。写真左に、その立派なコンベアが写っています。 左写真の原版を拡大すると、奥の分岐器は左方向に開通していますので、この列車は万太郎沢鉱業所から粘土を満載して戻ってきた列車ということになります。 |
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上磯E 1972(S47).4.6 Nさん撮影 上の写真Dと同じ場所の逆方向で、国鉄線から工場内を見た風景です。 2号機の貨物列車が工場に到着し、1号機の貨物列車が通票を受け取り工場を出発します。 |
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上磯F 1977(S52).8.2 私が上磯を訪問したのは、Nさんの5年後でした。 私にとって、初めての北海道旅行でした。 青函連絡船に乗り、函館へ降りてすぐに上磯に向かいました。 上磯で降りて、国鉄線に沿って歩いて専用線の上まで来て、工場を見下ろして撮りました。立派な煙突群です。 |
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上磯G 1977(S52).8.2 工場から貨物列車が出発してきました。 国鉄のガード下をくぐり、右方向の線路に入ってきました。 万太郎沢線の貨物列車です。 上のDの写真の逆方向になります。 左に写っている信号機は色灯式ですが、上のDをよく見ますと、5年前は腕木信号機でした。 |
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上磯H 1977(S52).8.2 上のGの列車の後ろ姿です。 峩朗鉱山から工場へ石灰石原石を運ぶベルトコンベアの下をくぐります。 |
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上磯I 1977(S52).8.2 峩朗鉱山から、9号機の引っ張る貨物列車がやってきました。 突然現れて、慌てて撮ったような写真です。 |
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上磯J 1977(S52).8.2 上のIの列車の後ろ姿です。 正面に見える山は、函館湾を挟んで海の向こうにある函館山です。 |
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上磯K 1977(S52).8.2 工場に近づいて、国鉄江差線との交差部分を撮りました。 江差線は本数が少なく、上を列車が通ってくれませんでした。 |
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