三笠鉄道村 幌内線の跡地を使った鉄道施設
幌内線(岩見沢~幌内13.6km・三笠~幾春別7.2km)は1987(昭和62)年7月に廃止されました。 北海道には廃止されたローカル線が多数ありますが、この幌内線は特別で、北海道で最初に出来た鉄道です。幌内炭鉱の石炭を積出港の小樽(手宮)まで運ぶ目的で建設されました。 幌内駅跡地に「三笠鉄道記念館」がありSLが走っていると聞いて、昔の鉄仲間と一緒に2019(令和1)年10月に出かけました。 ←国土地理院発行1/20万 札幌(S41)より |
日本で3番目(①新橋~横浜、②大阪~神戸)にできた歴史のある鉄道で、北海道開拓のため石炭輸送用に建設され、官営幌内鉄道と呼ばれ1880(明治13)年に手宮~札幌間が開通、2年後に手宮~幌内間が全通し、有名な「義経」「弁慶」「静」号などが活躍しました。 昭和41年発行の国土地理院1/20万地図を加工し、手宮~幌内の鉄道線が目立つようにして、主要駅を記入しました。岩見沢には開業時に駅はなく原野の中でしたが、後に鉄道の要衝となり発展しました。現在、幌内鉄道の両端の区間は廃止されましたが、手宮駅跡には北海道鉄道記念館(現在の名称は小樽市総合博物館)、幌内駅跡には三笠鉄道村が出来ました。 |
三笠鉄道村-01 三笠駅跡 2019(R1).10.12 三笠鉄道村は、幌内駅跡地を利用した幌内ゾーンの「三笠鉄道記念館」と、三笠駅跡地を利用した三笠ゾーンの「クロフォード公園」に分かれています。また、幌内線三笠~幌内間の大部分の区間で「三笠トロッコ鉄道」が運行されています。 まずは三笠駅跡に保存されている跨線橋とDD51貨物列車です。奥の方にはキハ82系も見えます。 |
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三笠鉄道村-02 国土地理院の1976(昭和51)年の三笠駅付近の航空写真に追記しました。 三笠~幌内間は1972(S47).11.1に旅客営業を廃止、貨物線になりました。 1987(S62).7.13に幌内線は全線廃止となりました。 幌内~岩見沢の旅客列車は、写真のように三笠駅を通らない線路配置のため、岩見沢方の引上線を使いスイッチバックで三笠駅ホームに入りました。 |
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三笠鉄道村-03 国土地理院の2007(平成19)年の三笠駅跡付近の航空写真に追記しました。 三笠駅跡はクロフォード公園となりました。 クロフォードとは何のことか分からなかったのですが、三笠鉄道記念館の短編映画を見たら、幌内鉄道建設の際に米国から招いた鉄道技師の名前で、北海道の鉄道の父ということがわかりました。小樽の博物館入口にも銅像がありました。 |
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三笠鉄道村-04 三笠駅跡 2019(R1).10.12 保存されているDD51の貨物列車です。 |
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三笠鉄道村-05 三笠駅跡 2019(R1).10.12 保存されているキハ82系の6連です。だいぶ痛んでいましたが、キシやキロも連結していて、北海道最初の特急「おおぞら」の全盛期がしのばれます。 |
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↓三笠鉄道村-06 国土地理院の1976(昭和51)年の幌内駅付近の航空写真に追記しました。 幌内駅の奥(写真右下)の幌内炭鉱が現役だった頃(1989/H1年閉山)です。幌内駅跡に「三笠鉄道記念館」が出来ました。 |
三笠鉄道村-07 幌内駅跡 2019(R1).10.12 幌内駅跡の三笠鉄道記念館に到着すると、蒸気機関車が煙を出して走っていました。 久しぶりに嗅ぐ蒸機(石炭)の匂いに心が躍りました。 |
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三笠鉄道村-08 幌内駅跡 2019(R1).10.12 この蒸機S-304は室蘭の鐵原コークス(テツゲン)で活躍していた産業用機関車です。国内最後の現役蒸機(保存・観光用を除く)として活躍した後、三笠鉄道記念館で動態保存されています。 1939年製造の機関車で、この年に製造後80年を迎え、「80」のヘッドマークを付けていました。 訪問したのが土曜日で、土・休日は30分毎に客車(貨車改造)列車が運転される他、SL機関士体験クラブというのがあり運転体験も行っていました。(運転区間は短い) |
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三笠鉄道村-09 幌内駅跡 2019(R1).10.12 同上 この日は運転体験者が大勢いたおかげで、頻繁に蒸機が運転され、ありがたかったです。 最近「三笠鉄道村」のHPを見たら、蒸機S-304号が故障し、今シーズン(2024年)は運休すると掲載されていました。2025年には復活することを願っています。 |
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三笠鉄道村-10 幌内駅跡 2019(R1).10.12 蒸機S-304号は、三笠鉄道記念館に保存してある貴重な車両の横を行ったり来たりしていました。 |
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三笠鉄道村-11 幌内駅跡 2019(R1).10.12 30分毎に運転されるSL列車が停車中です。SL+貨車改造の客車?2両の編成です。 S-304が牽引する貨車改造車に、300円払って簡易ホームから乗り込みます。 |
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三笠鉄道村-12 幌内駅跡 2019(R1).10.12 SL列車の車内です。 SL列車は、旧幌内駅の引上線のようなところを数百メートル走って終点です。折返しは貨車改造車が先頭になり、STAFFが旗を振り推進運転です。 左の線路は、旧幌内線で三笠駅方向(手前)へ延びていて、現在三笠トロッコ鉄道に使われています。 |
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三笠鉄道村-13 幌内駅跡 2019(R1).10.12 三笠鉄道記念館は、屋外展示も含め予想したよりはるかに立派な記念館でした。 多くの車両が保存されていました。 詳細は→Wiki三笠鉄道記念館 除雪用のDD14 1ロータリー式除雪機関車です。 |
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三笠鉄道村-14 幌内駅跡 2019(R1).10.12 ラッセル式雪カキ車 キ274です。 |
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三笠鉄道村-15 幌内駅跡 2019(R1).10.12 駅や操車場構内を除雪するための広幅雪カキ車(ジョルダン車) キ756です。 |
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三笠鉄道村-16 幌内駅跡 2019(R1).10.12 操重車ソ81 |
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三笠鉄道村-17 幌内駅跡 2019(R1).10.12 新幹線も走っていました! 屋外保存車両は、写真のキハ22-52のように痛みの激しい車両もありました。 |
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三笠鉄道村-18 幌内駅跡 2019(R1).10.12 記念館の中に保存されているED76-505と9600形59609です。 |
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三笠鉄道村-19 幌内駅跡 2019(R1).10.12 記念館の中の展示です。 立派な展示品がありました。 |
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三笠鉄道村-20 幌内駅跡 2019(R1).10.12 記念館の中の展示です。 機関士教習用に使われたパネルも並んでいました。 |
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三笠鉄道村-21 幌内駅跡 2019(R1).10.12 三笠鉄道記念館の駐車場に展示してあった車両です。 釧路の太平洋炭鉱で使われていたナロー(軌間610mm)の凸電がいました。 これが三笠にいることを知らなかったので、見られてとても嬉しかったです。 |
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三笠鉄道村-22 幌内駅跡 2019(R1).10.12 三笠鉄道記念館の駐車場に展示してあった車両です。 坑内用のバッテリー機関車や人車もありました。 |
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三笠鉄道村-23 幌内駅跡 2019(R1).10.12 三笠鉄道記念館の駐車場に展示してあった車両です。 いろんな車両が置いてありました。 |
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三笠鉄道村-24 幌内炭鉱跡 2019(R1).10.12 三笠鉄道記念館から奥は道路も狭くなり、途中から未舗装になりましたが、先へ進むと右手に遺構らしきコンクリート構造物が見え、案内看板が立っていました。 |
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三笠鉄道村-25 幌内炭鉱跡 2019(R1).10.12 さらに進むと変電所の遺構があり、その近くに立派な看板がありました。 炭鉱跡などが三笠ジオパークとして案内されています。 |
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三笠鉄道村-26 三笠トロッコ鉄道 2019(R1).10.12 幌内駅跡の三笠鉄道記念館からはトロッコ鉄道がありました。 →三笠トロッコ鉄道HP 写真左はSL列車の貨車改造車で、その右の線路上に展望トロッコ列車が停車中です。 DD51?もどきの凸型車両は、乗用車改造の動力車「初音号」、その向こうは客車の林鉄「温根湯号」、手前はトロッコ客車「そよかぜ1・2号」のようです。→配置車両一覧 この展望トロッコ列車で、幌内線廃線跡(片道約2.5km)ツアーの出発です。(向こう側へ進みます) |
我々は図⑬の鉄道記念館から展望トロッコ客車に乗車し、③トロッコターミナルで折返し、⑬へ戻りました。 この他に体験トロッコ運転(エンジン付き)もあり、③のトロッコターミナルを出発し、⑪の小池坂駅で折り返し、③へ戻ります。 |
←三笠トロッコ鉄道体験MAP 2019(R1).10.12 トロッコ鉄道に乗るときにもらったパンフレットを開けたら、こんな体験MAPが書いてありました。 どのような経緯かあったのか知りませんが、元々国鉄が所有していた幌内線三笠~幌内間の線路の大部分を使用してトロッコ鉄道を運行しています。 |
↑三笠鉄道村-27 三笠トロッコ鉄道 2019(R1).10.12 トロッコ鉄道の沿線風景で、元は幌内線幌内→三笠の風景です。幌内駅跡から三笠駅跡の少し手前まで約2.5kmの線路がそのまま残され、その線路上を走ります。 |
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↑三笠鉄道村-28 三笠トロッコ鉄道 2019(R1).10.12 約2.5nm乗車し、終点のトロッコターミナルに到着です。我々の乗ったトロッコ列車はここで折り返しました。この先に幹線道路との踏切があったので、三笠駅跡を目前にして、ここから先の線路は撤去されました。 |
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三笠鉄道村-29・30 三笠トロッコ鉄道 2019(R1).10.12 三笠駅跡付近のトロッコターミナルで撮りました。 左は凸型動力車「初音号」です。駆動はゴムタイヤ4WD、案内を鉄輪で行っていることが分かります。右の客車「温根湯号」は北見営林局から譲り受けた車両のようです。 |
三笠鉄道村-31 三笠トロッコ鉄道 2019(R1).10.12 三笠鉄道記念館と幌内炭鉱遺構の見学(上の写真18~5)を終えて、車で帰る途中、道路と幌内線が並行していて、停車中のトロッコ列車を発見しました。当日の営業運転を終了し、車庫(トロッコターミナル)へ回送途中に一旦停止していたと思われます。 小池坂の駅名板があり、トロッコターミナルから来た体験トロッコはここで折り返すことになっていて転車台が線路に埋め込まれています(トロッコ下の黄色く見える部分)。16:40頃で薄暗くなりかけていました。 |
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三笠鉄道村-32 三笠トロッコ鉄道 2019(R1).10.12 トロッコ列車はすぐに出発したので、その後ろ姿を撮りました。 ゆっくり走って行くので、車で追いかけました。 |
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三笠鉄道村-33 三笠トロッコ鉄道 2019(R1).10.12 トロッコ列車を追い越し、待ち構えて撮りました。 2両目の凸型に運転手は乗っています。先頭車に乗っているのは、記念館駅で切符を売っていたお嬢さんです。 |
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三笠鉄道村-34 三笠トロッコ鉄道 2019(R1).10.12 終点のトロッコターミナルまで先回りし、到着する列車を待ちました。 右のSLは、遊園地などで道路上を客車牽引して走っているゴムタイヤのSLもどき車両の改造です。 |
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三笠鉄道村-35 三笠トロッコ鉄道 2019(R1).10.12 トロッコターミナルの近くに保存してあった坑内用の背の低い機関車です。頼城にあった三井芦別炭鉱で使用された機関車のようです。 この少し向こう側で撮った写真が、上の写真34です。 手前側にはクロフォード公園(三笠駅跡)があります。 |
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2024(R6).6.30up |