津島軽便堂写真館

明延鉱山 明神電車 2/2   保存された明神電車    明延・明神電車1へ戻る

明延鉱山跡①

一円電車明延線 2012(H24).6.3

明延鉱山の最盛期は4,000人以上が住んでいた明延の町ですが、1987(昭和62)年に鉱山が閉山となり、以後はひっそりとしています。

2010(平成22)年10月、有志の皆さんにより、明延の町の入口に約70mのU字形の線路が敷設され、春~秋の間は毎月1回以上一円電車体験試乗会が開催されています。
保存されていた「くろがね号」が動態復活し、町おこしのためお役に立っています!

私は、ネットでその案内を見て、明延鉱山跡を3回訪問しました。その写真をご覧ください。
左地図は国土地理院の電子国土Webからコピーし加筆しました。

明延鉱山跡周辺の地図です。
鉱山全盛期は、この地図の川沿いの狭いところに4,000人が住んでいました。
主要な施設を青文字で記入し、保存車両を赤文字で記入しました。

明延鉱山は、大きく分けると西鉱区と東鉱区があったそうです。
主たる鉱区は東鉱区で、そこが明延鉱山の中心でした(地図右下)。一円電車もそこから神子畑(地図の右下方向)へ出ていました。現在は近くまで立ち入ることができず、下の道路の「中心地跡看板」から見上げて偲びます。

地図左下の鉱山学習館が、昔は明延鉱山の西部採鉱事務所でした。ここが探検坑道見学会の出発・解散地点になっています。

明延の一円電車
明延鉱山跡②

一円電車明延線 2012(H24).6.3

一円電車復活運転です。

くろがね号を牽引するバッテリー機関車No.21は、この復活運転用に導入された中古の工事用機関車です。
明延鉱山跡③

一円電車明延線 2012(H24).6.3

U字形に敷設された軌道の終点です。くろがね号をアップで撮りました。
明延鉱山跡④

一円電車明延線 2012(H24).6.3

一円電車のりばです。
体験試乗会の日は、ここから上の写真③の場所まで約70mを1往復1円
(以上の寄付)で「くろがね号」に試乗できます。
明延鉱山跡⑤ 一円電車のりば 2012(H24).6.3

ボランティアの方による、一円電車の紙芝居ガイドです。
明延鉱山跡⑥ 一円電車のりば 2012(H24).6.3

くろがね号の車内です。
明延鉱山跡⑦

明延振興館前 2012(H24).6.3

あけのべ憩いの家(明延振興館)の前に保存されている凸形電車「白金号」と、L形電気機関車「No.18」です。
明延振興館は、明延鉱山跡観光の拠点です。食堂があり、探検坑道見学の受付もここで行われます。
↙明延鉱山跡⑧

明延振興館前 2012(H24).6.3

振興館側から見た白金号です。とてもチャーミングですね!

その向こうに見える広場に、くろがね号が走る約70mの軌道が敷設されています。
↑⑨ 白金号車内 2016(H28).11.6

白金号の扉から中を見ました。向かい合わせ座席の真ん中に制御器がありました。
明延鉱山跡⑩

鉱山学習館前 2012(H24).6.3

保存されている電気機関車No.1,2です。その間にグランビー鉱車と無線操縦装置搭載車・バッテリー付き各2両を挟んでいました。

探検坑道見学会は、明延振興館で受付を済ませたあと、先導車に引率され鉱山学習館の駐車場へ来ます。そこに保存されていました。
明延鉱山跡⑪

鉱山学習館前 2016(H28).11.6

電車の「あかがね号」です
上の写真⑩の左に保存展示されていました。
前後で車輪径が前後で大きく異なる電車で魅力的なスタイルした。
↓明延鉱山跡⑫

赤金号運転台 2014(H29).9.7

左写真の左側にだけ運転台がありました。逆方向へ走るときは、後ろ向きで運転したそうです…

←明延鉱山跡⑬

鉱山学習館前 2012(H24).6.3

赤金号の反対側の正面には鉄格子がはまっていました!
明延鉱山跡⑭

鉱山学習館前 2012(H24).6.3

バッテリー機関車2両と巡回車が保存展示されていました。
左の建物が鉱山学習館です。
この中には、明延鉱山に関するいろんなものが展示されています。
明延鉱山跡⑮ 鉱山学習館 2014(H26).9.7  鉱山学習館に展示の明延鉱山の断面模型です。トロッコやエレベーターが動く優れものです!
明延鉱山跡⑯ 鉱山学習館 2014(H26).9.7  鉱山の坑道の模型もありました。この模型の左手前が西鉱区、右奥が東鉱区で、東鉱区のほうが坑道が入り組んでいます。この鉱山学習館は元・西鉱区の採鉱事務所でした。
明延鉱山跡⑰ 鉱山学習館前 2014(H26).9.7

電気機関車No.1,2が保存展示されている場所にある看板です。
明延鉱山跡⑱ 鉱山中心地跡 2014(H26).9.7

鉱山中心地跡に立つ看板です。ここから見上げると下の写真です。
明延鉱山跡⑲

鉱山中心地跡 2016(H28).11.6

鉱山中心地跡の看板の少し右から見上げると、明延鉱山の中心地跡が見えました。
左にインクライン
(貨物用ケーブルカー)が見えます。

前ページの⑱の写真がそのインクラインです。
前ページの⑲で俯瞰した橋が下に写っています。
明延鉱山跡⑳

鉱山中心地跡 2014(H26).9.7

上の写真⑲の橋の上から反対側を見るとトンネルの入口がありました。

前ページの⑲でポッカリ口を開けてるトンネルです!
探検坑道MAP

明延鉱山の探検坑道見学は、鉱山跡探訪に欠かせない必須ツアーです。

私は、明延鉱山跡を3回訪問しましたが、3回とも探検坑道見学をしました。

鉱山学習館の前の駐車場に車を止め、坑道入口まで歩きます。
明延鉱山跡(21)

探検坑道入口 2014(H26).9.7

入口のカギを開け、これから坑道探検の始まりです。

この入口は、上の写真⑳のトンネルの先にあり、トンネルを出て川を越え、道路の踏切を渡ったところにあります。

↓逆方向を見ると↓踏切跡は残っていますが、鉄橋やトンネル入口はありません…
明延鉱山跡(22)

探検坑道内 2014(H26).9.7

いよいよ探検坑道の中です!
入口の光が見えます。右の方へ分岐する線路もありました。

軌間500mmの坑内軌道です。
明延鉱山跡(23)

探検坑道内 2016(H28).11.6

坑道内で、ガイドさんの説明を聞きます。
明延鉱山跡(24)

探検坑道内 2014(H26).9.7

このSカーブがなんともいえませんね!

坑道内は、線路のある場所と、ない場所があります。トロッコファンにとって線路の有無は重要で、線路があると萌えます…
明延鉱山跡(25)

探検坑道内 2014(H26).9.7

まっすぐ延びる線路です。

右のパイプは、空気を坑内へ送るためのものです。
明延鉱山跡(26)

探検坑道内 2012(H24).6.3

線路が二つに分かれて、その先にも分岐がありました。
明延鉱山跡(27)

探検坑道内 2016(H28).11.6

坑道内に2tバッテリー機関車が保存されていました。
明延鉱山跡(28)

探検坑道内 2014(H26).9.7

パトロールカー(巡回車)も保存されていました。
明延鉱山跡(29)

探検坑道内 2014(H26).9.7

探検坑道の終点近くにある大寿立坑エレベーターです。上下2段式で、定員8人乗ると少し上昇し、次の8人を乗せたあと急降下します。説明していただいた体験者の方によると、○が縮み上がるそうです。鉱車の場合はその2倍のスピードで上下するそうです。

↓探検坑道出口です。

明延鉱山跡(30)

神子畑選鉱所跡 2012(H24).6.3

電気機関車No.5+客車(わかば)+グランビー鉱車が、神子畑選鉱場をバックに、保存されていました。この3両は、この年(平成24年)の4月に朝来道の駅からこの場所に移設展示されたそうです。関係のない道の駅に保存されるより故郷の選鉱所跡に戻ってきて良かったと思います。

選鉱所の建物はなくなっていますが、コンクリートの土台がその大きさを偲ばせてくれます。
神子畑選鉱所跡

左にはインクライン(貨物用ケーブルカー)の線路があり、明延行きの一円電車のりばは、その上にありました。
明延鉱山跡(31)

神子畑選鉱所跡 2016(H28).11.6

上の写真(30)の左に写っているインクラインの下に近づきました。
軌間500mmの軌道部分が残され、その他の部分はタイル舗装されていました。
明延鉱山跡(32)

朝来道の駅 1998(H10).8.2

上の写真(30)と同じ編成です。

昔は朝来(あさご)道の駅に保存されていましたが、この写真を撮った14年後に、ふるさとの神子畑選鉱所跡に戻っていきました。
明延鉱山跡(33)

史跡・生野銀山 1998(H10).8.2

夢千代日記で有名な湯村温泉の帰りに生野銀山跡を観光に行ったら、駐車場に保存してありました。

明神電車の電気機関車ラストナンバーNo.20+客車(あおば)+荷物車+鉱車5両でした。
明延鉱山跡(34)

史跡・生野銀山 1998(H10).8.2

明延一円電車の最後の写真です。

上の写真(33)の反対側から見ました。向こうに見える屋根が史跡生野銀山の入口です。
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参考図書:「一円電車と明延鉱山」-ヤマのトロッコ鉄道物語- 岡本憲之著 2012(H24).11.21 神戸新聞総合出版センター発行
     「あけのべの一円電車」
-命脈つきた鉱山鉄道の記録- 1988(S63).5.31 レイルロード発行
     「全国鉱山鉄道」
-鉄道の原点"ヤマ"軌道をもとめて- 岡本憲之著 2001(H13)10.1 JTBキャンブックス発行