津島軽便堂写真館

八森ポール機関車   五能線・八森の専用線にいた機関車

五能線の八森駅から、日本海金属・発盛精錬所まで専用線が出ていました。
非電化のローカル線から、電化された専用線が出ていた例は他にもありましたが、ごく少数派でした。

←国土地理院の航空写真 1975(昭和50)年10月17日撮影より
   (整理番号:CTO7521)
五能線を青色で、専用線を赤色で記入しました。線路は段丘の上にありました。
大間越で混合列車の写真を撮った後、八森へ戻りました。
行き掛けに八森駅で架線を見かけ、それが気になり八森へ戻ったわけです。列車の時間(本数が少ない!)の都合で、16:01に到着し、16:28に出発しましたので滞在は30分弱でした。

↓八森の機関車① 1972(S47).3.18

八森駅には、8630号の貨物列車が停まっていました。昭和45年のダイヤによれば、貨物列車は東能代~八森間に2往復運転されており、八森駅には転車台がなかったので、東能代へ戻る列車はバック運転でした。
テンダーを先頭にし、夕日に輝く海をバックにした写真です。
左の航空写真では、駅は海から少し離れていますが、線路が高台にあったので海が見通せました。
八森の機関車② 1972(S47).3.18

30分以内に駅に戻る必要があったので、とりあえず専用線をたどって行けるところまで行ってみようと、歩き始めました。
数百m歩いたところに、それまで見たことのない風変わりな機関車がいました。
後ろに写っている無蓋車トキよりも運転台の高さが低い、ポール集電式の機関車でした。
八森の機関車③ 1972(S47).3.18

正面からも撮りました。
運転台の窓ガラスに、私と外の風景が写っています。

発盛精錬所では、この2枚を撮っただけで急いで八森駅へ戻りました。


railbusさんから、「ここに昔はナローの線路が引き回されていたらしいが当時の様子はどうでしたか?」と聞かれましたが、このポール機関車以外、全く記憶にありません。
八森の機関車④ railbusさん撮影

 1977(S52).5.4

上の写真から5年後です。
railbusさんが東北旅行をしたときに寄り道しました。

railbusさんが大昔に得た情報では、ナローの軌道が引き回されていたということで、それを目当てに訪問したら、すでに軌道は何もなかったということです。

「良く見て聞いて確かめて 安全第一すぐ実行 発盛精錬所」という看板も壁に掛けてありました。



いつも素晴らしい写真を提供してもらってるrailbusさんのHPは、
railbus' photo albumです。
   2014(H26).11.30開設
八森の機関車⑤ railbusさん撮影

 1977(S52).5.4

真横から見たポール機関車です。
他に例のない、独特な形状です。

台枠の真ん中に楕円形の銘板が張ってあります。
それを拡大したのが↙下の写真⑥です。
八森の機関車⑥ railbusさん撮影

 1977(S52).5.4

ポール機関車に貼り付けてあった銘板です。
スリーダイヤのマークが輝いていました。1955(昭和30)年に製造された機関車です。
八森の機関車⑦ railbusさん撮影

 1977(S52).5.4

冬の日本海からの風雪を除けるために、機関車の海側には鉄板が張ってありましたが、手前側はオープンでした。
元々は鉱山用のL形機関車に、風防用の側板と屋根を付け足したような感じですね!


後ろの方に立派な煙突が写っています。
インターネットで調べると、昔はこの地に発盛(はっせい)鉱山があったということです。→Wikipedia発盛鉱山
その精錬用に精錬所が作られ、高さ43mの大煙突は鉱山のシンボルだったそうです。

 ↑八峰町の広報「広報はっぽう2008.8月」に、発盛鉱業所や大煙突のことが記載してありました。
   八峰町は、2006(平成18)年に八森町と峰浜村が合併して誕生した町で、2008年に発盛鉱山ダム跡地に中央公園を作ったということです。

八森の機関車⑧ railbusさん撮影

 1977(S52).5.4

八森駅の方を見た写真です。
左へカーブした専用線の先が八森駅です。

この専用線をネットで探したら、
こちらにありました。
八森の機関車⑨ railbusさん撮影

 1977(S52).5.4

広い構内で、雰囲気がありますね!
立派な煙突も写っています。

後方では、パワーショベルで精錬した金属を貨車に積み込んでいるようです。
大昔は、ナロー軌道で運んでいたものをパワーショベルに譲ったと思われます。
八森の機関車⑩ railbusさん撮影

 1977(S52).5.4

貨車の積み込み風景です。
積み荷は、見るからに金属の塊ですね。


↓入口にあった会社の看板です。
八森の機関車↑⑪ ←⑫ ↙⑬ ↓⑭ 1977(S52).5.4 railbusさん撮影

↑⑪ 歴史を感じる煉瓦の建物です。

←⑫ 正面から見たポール機関車です。手前側に出窓がありました。

↙⑬ 連結器の拡大です。ナックルが開かない固定式です。

↓⑭ 運転台の入口です。奥にコントローラが見えます。

八森の機関車⑮ railbusさん撮影

 1977(S52).5.4

八森の最後の写真は、海側から見た機関車です。

この専用線は、1983(昭和58)年に廃止されたそうです。



後方の山並みは白神山地です。

白神山地が、1993(平成5)年に世界遺産に登録され、五能線の知名度がかなり向上しました。
  2015(H27).2.16up
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