津島軽便堂写真館

名古屋鉄道貨物輸送    令和3年8月12日発売

 名鉄は、昭和30年代(1955)には50両以上の機関車を所有し、常滑線、築港線、名古屋本線、三河線など各線に多数の貨物列車を走らせていました。しかし、昭和30年代後半からは、旅客列車の増発とスピードアップにより、速度の遅い貨物列車は邪魔者扱いされるようになり、貨物輸送廃止に向かって動き始め、国鉄貨物輸送の衰退と変革も重なり、1984(昭和59)年1月1日に東名古屋港駅を除き全て廃止されました。東名古屋港駅も貨物業務を1985(昭和60)1216日に日本通運・名古屋臨海鉄道へ委託し、名鉄は貨物輸送から撤退しました。
 貨物輸送廃止から既に35年以上経過し、名鉄が貨物輸送を行っていたことを知る人は高齢化、このままでは貨物輸送の記録は消え去る運命にあります。
 名鉄の貨物輸送に関する記録はほとんど残されておらず、名鉄資料館にも資料は非常に少なく、『名古屋鉄道社史』『名古屋鉄道百年史』にも貨物輸送に関する記述はごくわずかです。そこで名鉄OBの清水武氏と共に資料や写真の収集に努め、私鉄の貨車や貨物輸送に詳しい澤内一晃氏の協力も得て、名鉄の貨物輸送の全貌をまとめることにしました。

 特に名鉄OBの白井昭氏からは、名鉄貨物輸送全盛期の貴重な写真を多数(300枚以上)提供していただき、中身の濃い、資料的価値の高い、充実した内容になったと自負しております。ぜひご覧ください。
←表紙です。写真は全て白井昭氏撮影

(左上)デキ300形三河線貨物列車、刈谷 1955(S30).8
(右上)デキ400形本線貨物列車、鳴海 1958(S33).6
(中) デキ500形常滑線貨物列車、神宮前西 1956(S31).11
(下) デキ600形本線貨物列車、岡崎公園前~矢作橋 1955(S30).8
↓目次です。全272頁の大作になりました。
名鉄の貨物取扱駅 (P6-7)

1952(昭和27)年の名鉄沿線案内図に、当時の貨物取扱駅を表示。

1951(昭和26)年下期に貨物扱いのあった駅に色を付け、貨物取扱廃止年別に色分けしました。
貨物扱い廃止年は、名鉄百年史・各駅運輸成績表などを参考にしました。


また、昭和18年の駅配線図に貨物側線があり、昭和26年に貨物扱いが既に廃止されていた駅には小さな緑印を付けました。

左図をご覧いただくと、多くの駅で貨物を扱っていたことが分かります。

この先は8月12日発売のフォト・パブリッシング発行『名古屋鉄道の貨物輸送』をご覧ください。
この本の資料収集と執筆作業に全力で取り組んだため、HPの更新が半年以上滞りました。
今後また、津島軽便堂写真館を再開しますのでご期待ください。
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