津島軽便堂写真館
国土地理院1/20万
宇都宮 S43.6発行より

東武 熊谷線     東武線の離れ小島・最後まで非電化・気動車で運行

東武熊谷線① 熊谷 1978(S53).8.3  熊谷駅で出発を待つ妻沼行きの気動車キハ2000形

東武熊谷線は、左図赤線のように熊谷駅から妻沼まで10.1kmの路線でした。戦時中に軍需工場への工員・資材輸送用に、熊谷から利根川を渡り西小泉まで建設が開始されましたが、熊谷~妻沼間が開通してまもなく終戦を迎え、そこから先の建設は中止されました。
熊谷線は、他の東武線とはつながっておらず(秩父鉄道を介して接続)、熊谷駅も秩父鉄道に間借りしているような感じで、非電化のまま1983(昭和58)年6月1日に廃止されました。
東武熊谷線②

 熊谷 1978(S53).8.3

妻沼行きの気動車に乗り込んで出発を待っていたら、秩父鉄道の貨物列車が到着したので、窓から顔を出して撮りました。
東武熊谷線③

 熊谷 1978(S53).8.3

入換中の秩父鉄道の電気機関車です。
左が国鉄熊谷駅ホームですが、間に貨物側線が何本もあり広々とした構内でした。

Wikipediaで調べると、この写真を撮った1年後の1979(S54).10.1に熊谷貨物ターミナル駅が開業し、熊谷駅の貨物扱いと秩父鉄道への貨車継送を分離しています。
貨物側線跡地などを使用して、上越新幹線の熊谷駅建設工事が始まり、1982(S57).11.15に上越新幹線が開業しました。
東武熊谷線④

 熊谷 1978(S53).8.3

妻沼行きの気動車の車内風景を少し入れて秩父鉄道の貨物列車を撮りました。
東武熊谷線⑤

 熊谷 1978(S53).8.3

秩父鉄道熊谷駅ホームの南側の風景です。

この左側のホーム(5番線)の左(北)側に妻沼行きの気動車が停まっていました。
東武熊谷線⑥ Nさん撮影

 熊谷 1981(S56).9.22

上の写真①~⑤の3年後です。
熊谷駅は上越新幹線の開通を1年後に控え、大変貌していました。
東武熊谷線⑦ Nさん撮影

 熊谷 1981(S56).9.22

東武熊谷線の気動車の奥には、秩父鉄道の電車が停まっていました。

東武が秩父鉄道熊谷駅のホームを間借りしていたわけですが・・・
東武熊谷線⑧

 妻沼 1978(S53).8.3

熊谷線終点の妻沼駅です。
東武熊谷線⑨

 妻沼 1978(S53).8.3

上の写真⑧の反対側から見た妻沼駅です。
この向こうにある利根川を渡り、西小泉まで線路が延びる予定でしたが、ここで打ち止めでした。
東武小泉線 Nさん撮影

 西小泉 1975(S50).7.19

利根川の北にある西小泉駅です。

熊谷線が目指した場所はここでした。
東武熊谷線⑩ Nさん撮影

 妻沼 1981(S56).9.22

妻沼に戻ります。

駅の隅には、昔懐かしい「お手洗い」がありました。
東武熊谷線⑪ Nさん撮影

 妻沼 1981(S56).9.22

妻沼を出発した熊谷行きです。

この時代まで腕木信号機が残っていたとは意外ですね!
東武熊谷線⑫ Nさん撮影

 妻沼 1981(S56).9.22

廃線反対の看板が立つ妻沼駅前です。

この写真の約2年後の1983(昭和58)年6月1日に廃止されました。
東武熊谷線⑬ Nさん撮影

 妻沼 1981(S56).9.22

妻沼へ17時頃に到着した列車から降りるお客さんです。
それなりに乗ってましたね。

Nさんは、この折り返し列車に乗り帰りました。
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