津島軽便堂写真館

一畑電鉄  山陰地方唯一の私鉄、旧型車が最後の活躍をしていた頃

一畑電鉄は、一畑薬師の参詣客輸送を目的に建設されました。現在は、松江しんじ湖温泉~電鉄出雲市33.9kmの北松江線と、川跡~出雲大社前8.3kmの大社線が運行されています(上図赤線)。昔は一畑薬師の最寄の一畑駅を結ぶ路線(上図青線)がありましたが、戦時中の1944(昭和19)年に小境灘(現・一畑口)~一畑3.3kmが休止され、そのまま廃止されました。 なお、現在一畑電気鉄道は持株会社となり、一畑電車が運営会社です。詳細は→Wiki一畑電車参照
上の地図は、国土地理院20万分の1「大社」昭和45年11月発行と「松江」昭和45年4月発行に加筆し、主要駅と撮影地最寄駅を記入しました。
国鉄大社駅 1978(S53).5.4

堂々たる国鉄大社駅です。

一畑電鉄撮影のため、夜行急行「だいせん」で大社駅に到着しました。
立派な駅舎だったので、1枚だけ撮りましたが、もっといろんな角度から撮るべきでした。
国鉄大社線は1990(H2).4.1に廃止されましたが、この駅舎は保存され、後に重要文化財に指定されました。

この写真を撮った後、出雲大社を参拝し、一畑電鉄の撮影に向かいました。
一畑電鉄①

出雲大社前 1978(S53).5.4

出雲大社参拝後、出雲大社前駅の近くで、到着する一畑電鉄の電車を待ちました。
一畑電鉄②

出雲大社前 1978(S53).5.4

一畑電鉄大社線の終点・出雲大社前に停車中のデハ3(デハ1形)です。

この駅の駅舎も特徴ある形状でしたが写真を撮っていません。毎度のことながら、もっといろんな写真を撮っておくべきだったと反省するばかりです。

Nさんから4年前(2017年)に撮った写真を提供してもらいましたので、下に掲出します。
一畑電鉄③ Nさん撮影

出雲大社前 2017(H29).11.13

出雲大社門前の神門通りに面した出雲大社前駅の駅舎です。
半円形の屋根に特徴があり、登録有形文化財になっています。
↓一畑電鉄④ Nさん撮影

出雲大社前 2017(H29).11.13

洒落た感じの駅舎内部です。半円形の天井と色ガラスがアクセントになっています。
←一畑電鉄⑤ 出雲大社前 2017(H29).11.13 Nさん撮影

 同上。上下2枚の写真をつなぎ合わせました。
一畑電鉄⑥

 川跡 1978(S53).5.4

北松江線と大社線の分岐駅・川跡です。
3本の電車が並びました。
左が松江温泉行きクハ102+デハ22、真ん中が電鉄出雲市行きデハ6、右が出雲大社前行きデハ3です。
一畑電鉄⑦

 川跡 1978(S53).5.4

川跡を出発した松江温泉(現・松江しんじ湖温泉)行きデハ22の後ろ姿です。
一畑電鉄⑧

 川跡 1978(S53).5.4

デハ1形の6号と3号です。
一畑電鉄は1927(昭和2)年に電化され、デハ1形はそれに合わせて製造されました。
一畑電鉄⑨

 川跡 1978(S53).5.4

川跡に到着する電鉄出雲市行きの70系電車クハ172です。
西武鉄道から譲り受けた電車です。
一畑電鉄⑩

 園 1978(S53).5.4

宍道湖畔の園駅を出発する70系電車デハ72+クハ172です。

『カラー日本の私鉄1』昭和51年発行に、廣田尚敬氏が園駅で撮られた写真が掲載されていましたので、それを手本に園駅で下車して撮りました。
一畑電鉄⑪

園~一畑口 1978(S53).5.4

宍道湖畔を走る急行です。
70系のデハ71+クハ171の編成でした。70系は元西武鉄道の電車で、一畑電鉄の急行用に導入されました。
詳細は
Wiki一畑電鉄70系電車参照
一畑電鉄⑫

園~一畑口 1978(S53).5.4

これも70系電車です。
一畑電鉄⑬

園~一畑口 1978(S53).5.4

これも北松江線の急行電車として活躍していた70系電車です。
一畑電鉄⑭ Nさん撮影

電鉄出雲市 1996(H8).7.27

上の写真から18年後です。
北松江線の終点電鉄出雲市に停車中の2100系です。
元・京王5000系を1994(H6)年に導入し2100系としました。
一畑電鉄初の冷房車です。
一畑電鉄⑮ Nさん撮影

 川跡 1996(H8).7.27

デハ20形23号です。
デハ20形は、1927(昭和2)年に製造されたデハ1形を改造した車両です。
車令70年を前に、この年に廃車となりました。
一畑電鉄⑯ Nさん撮影

津ノ森 1996(H8).7.27

風光明媚な宍道湖に沿って走るクハ100形102です。
元西武の電車で、この年に廃車となりました。
一畑電鉄⑰ Nさん撮影

津ノ森 1996(H8).7.27

西武鉄道から譲渡された湘南形スタイルの90系電車デハ91です。
この年に廃車となりました。
一畑電鉄⑱ Nさん撮影

松江温泉 1996(H8).7.27

ターミナルの松江温泉駅です。この駅は、北松江→松江温泉→松江しんじ湖温泉と駅名が変わりました。

オレンジの電車はデハニ50形52号です。2009(H21)年の映画『RAILWAYS 49歳で運転士になった男の物語』で主役?になりました。
(私はこの映画を見て、一畑電鉄がバタデンという愛称で呼ばれていることを初めて知りました…)
一畑電鉄⑲

一畑口 2002(H14).8.17

電鉄出雲市方面から一畑口に到着する電車です。この駅で折り返す線形になっていて、左へ別れている線路が松江温泉方面に向かいます。
この場所から振り向いて撮ったのが下の写真⑳です。

湘南形スタイルの電車は3000系で、元南海の21000系です。
一畑電鉄⑳

一畑口 2002(H14).8.17

一畑口に停車中の電車です。

左奥の山の上に一畑薬師があり、そのふもとの一畑駅まで、ここから先3.3kmの路線がありましたが戦時中に休止され、そのまま廃止されました。(一番上の地図参照)
その当時、当駅の駅名は小境灘でした。
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参考資料:『カラー日本の私鉄1』写真/廣田尚敬、文/吉川文男、1976(昭和51)年9月、山と渓谷社発行