津島軽便堂写真館

北丹鉄道    由良川の河川敷に消えた鉄道

北丹鉄道は、福知山から河守まで12.4kmを走るローカル私鉄でした。
福知山と宮津を結ぶ計画からスタートしましたが、途中の河守で行き詰まりました。
残された宮津~河守17.6kmは、国鉄宮守線として1966(昭和41)年に建設が開始され、河守で北丹鉄道に接続予定でしたが、北丹鉄道が1971(昭和46)年に休止、その3年後に廃止になったため、宮津~福知山の宮福線に名前を変えて建設が続行されました。ところが国鉄再建法により、工事が凍結されたので、第三セクターで引き継ぐことになり、宮福鉄道(→北近畿タンゴ鉄道)宮福線として1988(昭和63)年7月に福知山~宮津30.4kmが開業しました。
北丹鉄道の廃線跡に沿って、今はJR乗り入れの電車特急が走っています。
←国土地理院1/20万「宮津」S43.11.30発行(上半分)、「京都及大阪」S43.3.30発行(下半分)より
↓北丹鉄道① 1970(S45).11.22  railbusさん撮影
河守から福知山に向かう列車から見た線路です。晩年の北丹鉄道は線路も荒廃していました。
北丹鉄道② railbusさん撮影

 河守 1970(S45).11.22

北丹鉄道が運転休止(そのまま3年後に廃止)になる3ヶ月チョット前にrailbusさんはKoさんと一緒に訪問しました。
終点の河守駅の風景です。
元国鉄キハ04形のキハ10 1号が停車中です。

現在、この河守駅の近くには、北近畿タンゴ鉄道の大江駅ができ、タンゴ鉄道線内の唯一の特急停車駅になっています。
北丹鉄道③ railbusさん撮影

 河守 1970(S45).11.22

ホーム側から見たキハ10 1号です。

私は、鉄研の部室でrailbusさんに同行したKoさんから「北丹はむっちゃんこ良かったで。車両の中にピクトリアルの私鉄車両めぐり・北丹鉄道編が置いてあった」という話を聞かされていました。私の軽便師匠のKoさんの話ですから、ぜひ行かなきゃならんと思い次の春休みに出掛けたのですが・・・
福知山で降り、北丹の乗り場を探したら「運転休止」の張り紙が・・・ガッカリしました。タッチの差で行き損なったという残念な思いがあるので、北丹鉄道は忘れられない鉄道です!
当時は情報が十分ではなく、行ってみたら廃止になっていたということが他にもありました。私の情報収集能力が劣っていたこともありますが、鉄道の廃止は、交通公社の時刻表の地図から線路が消えるか、ピクトリアルの読者短信で知るくらいでした。それも廃止になってから2ヶ月後くらいに・・・

私が福知山で降りたのは、北丹鉄道運転休止の1ヶ月後くらいですから、車両は当然車庫にあったはずです。車庫まで行けばキハ10 1号などの写真が撮れたのにと思っても後の祭りです。でも当時は車庫が何処にあるかという知識はなかったですが・・・



←北丹鉄道④ railbusさん撮影

 河守 1970(S45).11.22

キハ10 1号を反対側から見ます。
その手前には格好いい木造車がいます。

北丹鉄道⑤ railbusさん撮影

 河守 1970(S45).11.22

北丹名物ハニ11号です。
大きくカーブした妻面5枚窓の元南海電鉄「タマゴ形」車体です。
格好いいダブルルーフの木造車ですね!
北丹鉄道⑥ railbusさん撮影

 河守 1970(S45).11.22

順光側から見たハニ11号です。

railbusさんと同行のKoさんは、このタマゴ客車に乗ったようです。

Koさんも歳をとってあまり記憶が定かではないようですが、 
「覚えているのは、タマゴ客車に乗車した際、天井が滅茶苦茶揺れて屋根が落ちてきて死ぬんじゃないか?という恐怖感を持ったことだけです。揺れたのは、線路保守をほとんど行っていないのが原因ということを、最近になって湯口徹さんの本読んで知りました。」
ということです。↓
湯口徹さんのレイルNo.39「丹波の煙 伊勢の径(上)」には、『軌道の劣悪さは言語に絶した。寿都鉄道も有名だが、筆者の知る限り旅客営業の地方鉄道中最悪だった。・・・』と書いてあります。
北丹鉄道⑦ railbusさん撮影

 河守 1970(S45).11.22

折返し時間に正面の汚れを落としています。
railbusさんの北丹鉄道の写真は、結局上の①~⑦しかありません。
3ヶ月後に運転休止になるなら、もっと撮っておけばよかったと反省しておられるようですが・・・
私からすれば、これだけの写真を撮れただけでもうらやましい・・・

これでは寂しいと思われた方は、インターネットで北丹鉄道を検索してご覧ください。たくさんあります。
津島軽便堂写真館のリンク先
→「ローカル駅の坪庭」にもあります。

railbusさんに同行したKoさんの写真はありませんが、そのかわり映像を紹介もしてもらいました。
レールのあった街#12北丹鉄道
  「由良川の河川敷に消えた鉄道」です
北丹鉄道⑧ Nさん撮影

北近畿タンゴ鉄道 大江付近

 1994(H6).7.24

Nさんは、北丹鉄道へ行き損なったので、その後継の北近畿タンゴ鉄道宮福線を撮りました。
北丹鉄道の終点・河守駅があった場所の近くに宮福線の大江駅ができました。
その付近を走る、北近畿タンゴ鉄道のスター「タンゴエクスプローラー」です。

宮福線は、1988(昭和63)年7月に開業し、1996(平成8)年3月に電化されました。

福知山鉄道館ポッポランドには、北丹鉄道の資料がたくさん保存されているようです。(railbusさんから、ぜひ一度訪問するよう勧められたのですが、まだ行っていません・・・)
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参考図書:
  RM LIBRARY 14 「北丹鉄道-河川敷に消えた小鉄道-」 山本武男著 ネコ・パブリッシング 2000..9.1発行
  「私鉄車両めぐり特輯[第Ⅱ輯]」 鉄道図書刊行会 1977(昭和52)年7月発行(元は私鉄車両めぐり第10分冊1969.12月号)
  「新・消えた轍8近畿-ローカル私鉄廃線跡探訪-」寺田裕一著 ネコ・パブリッシング2010.10.30発行
  レイルNo.39 私鉄紀行「丹波の煙 伊勢の径(上)」湯口 徹著 プレスアイゼンバーンH12/2000年発行