碓氷峠(横川~軽井沢) EF63の時代
信越線の横川~軽井沢11.2kmの碓氷峠越えは66.7‰の急勾配区間でした。横川駅の標高は386.6m、隣の軽井沢の標高は939.1m、軽井沢駅近くのサミットは941.9mで、標高差555.3mを10.1kmで上る交通の難所でした(*1)。1893(明治26)年の開業時はアプト式でしたが、1963(昭和38)年に粘着式に変更。碓氷峠専用の機関車EF63形が投入されました。1997(平成9)年10月の北陸(長野)新幹線開業により、横川~軽井沢間は廃止されました。この碓氷峠は撮影の名所で、廃止の頃には写真集が多数発売されました。廃止から既に26年以上経過したので、私も忘れないうちに写真を掲出します。(*1:数値は『日本鉄道名所5 中央線上越線信越線』小学館1986.10発行より) |
碓氷峠① 軽井沢 1971(S46).6.10 軽井沢に到着した181系時代の特急「あさま」です。 軽井沢は霧の中でした。 このときはNさんと一緒に信州旅行をして、飯山線、小海線、大糸線のC56を撮りました。そのついでに66.7‰の碓氷峠を乗りに行きました。 ↓碓氷峠② 軽井沢 1971(S46).6.10 横川で連結し、この列車を押し上げてきた後補機のEF63形を、軽井沢で切り放します。EF63形は横川~軽井沢間だけで使用されました。 |
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碓氷峠③ Nさん撮影 軽井沢 1971(S46).6.10 霧の軽井沢を出発し、碓氷峠を下り横川に向かう特急「あさま」です。 181系の先頭側にEF63形を付けて坂を下ります。 国鉄の最急勾配区間(66.7‰)のため、横川~軽井沢間の全列車にEF63形2両の補助機関車が、坂の下側(横川寄り)に連結されました。 安全のため、下り列車(長野方面行き・坂を上る)は後ろ側に、上り列車(上野方面行き・坂を下る)は前側にEF63形2両が連結されました。 |
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碓氷峠④ Nさん撮影 軽井沢 1971(S46).6.10 客車列車か貨物列車を牽引してきたEF62形に、前補機のEF63形2両を連結します。 ここからは三重連で碓氷峠を下ります。 |
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碓氷峠⑤ 横川 1971(S46).6.10 横川駅のホームから見た横川機関区です。 「峠のシェルパ」と呼ばれたEF63形電気機関車の基地でした。 EF63形は碓氷峠専用の補助機関車として製造された機関車です。 →wiki- EF63形電気機関車 |
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碓氷峠⑥ Nさん撮影 軽井沢 1975(S50).7.17 軽井沢駅の全景です。 EF63形が常時待機していました。 軽井沢→横川の前補機として連結するための準備です。 |
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碓氷峠⑦ 横川 1981(S56).11.14 後ろにEF63形の補機を連結する189系時代の特急「あさま」です。 189系は碓氷峠を上下するため、EF63形と協調運転できるように製造されました。 |
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碓氷峠⑧ 横川 1981(S56).11.14 間もなく連結です。 EF63形の軽井沢側の連結器は、どんな車両にも連結できる形状でした。 |
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碓氷峠⑨ 横川 1981(S56).11.14 連結がほぼ完了した特急「あさま」です。 横川駅では全ての列車にEF63形を連結しました。 その作業には時間がかかるため、4分以上停車しました。 列車の窓が開く時代は窓を開けて駅弁「峠の釜めし」を買いました。窓が開かない特急時代は電車から降りて買っていました。 連結シーンを撮るより、お客が「峠の釜めし」を買うシーンを撮れば良かったと反省しています。 |
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碓氷峠⑩ 軽井沢 1981(S56).11.14 169系の急行列車にEF63を連結します。 169系も碓氷峠を上下するため、EF63形と協調運転できるように製造された急行形電車です。 軽井沢でも貨物を扱っていたことが分かる写真ですね。 |
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碓氷峠⑪ 軽井沢 1981(S56).11.14 上の写真⑩の続きで、跨線橋から撮りました。 連結が終わり、間もなく上野行き急行列車が出発します。 |
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碓氷峠⑫ Nさん撮影 横川 1996(H8).11.23 横川に到着した、上野行き特急「あさま」です。 後方にそびえる山々が峠越えの厳しさを物語っています。 廃止の約1年前にNさんが訪問しました。 |
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碓氷峠⑬ Nさん撮影 横川~軽井沢 1996(H8).11.23 旧丸山変電所の前のカーブを特急「あさま」が下ります。 |
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碓氷峠⑭ Nさん撮影 横川~軽井沢 1996(H8).11.23 撮影名所のコンクリートアーチ橋を渡ります。 左が軽井沢、右が横川で、軽井沢に向けて66.7‰の上り急勾配が続きました。 アーチ橋が2つ並び、手前が下り線(長野方面)、向こう側が上り線(上野方面)です。 |
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碓氷峠⑮ Nさん撮影 横川~軽井沢 1996(H8).11.23 コンクリートアーチ橋の手前には、煉瓦造りのアーチ橋がありました。 |
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碓氷峠⑯ 横川~軽井沢 1997(H9).5.18 煉瓦造りのアーチ橋です。 このアーチ橋は、アプト式の旧線時代の鉄道橋で、碓井第三橋梁として重要文化財になっています。 横川~軽井沢間の廃止が4ヶ月半後に迫った頃、Nさん達と一緒に最後の訪問をしました。このときは軽井沢でレンタカーを借りて移動しました。 |
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碓氷峠⑰ 横川~軽井沢 1997(H9).5.18 489系の特急「白山」がコンクリートアーチ橋を渡ります。 この色は白山色と呼ばれるそうですが、ボンネット特急には昔の特急色のほうが絶対似合っていました。 |
←碓氷峠⑱ 横川~軽井沢 1997(H9).5.18 Nさん撮影 コンクリートアーチ橋を俯瞰しました。 手前が上り線で、上野行き特急「あさま」が通過中 その向こうが下り線、右奥には煉瓦造りのアーチ橋が見えます。 |
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↑碓氷峠⑲ 横川駅前 1997(H9).5.18 有名な「峠の釜めし」の「おぎのや」です。 手前の排水溝の蓋には、アプト式時代のラックレールが使われていました。 |
碓氷峠⑳ 横川駅前 1997(H9).5.18 横川を出発した特急「あさま」の後ろ姿です。 茶色の旧塗色を復刻したEF63形が押し上げます。 |
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碓氷峠(21) Nさん撮影 横川~軽井沢 1997(H9).5.18 EF62の臨時客車列車も通りました。 |
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碓氷峠(22) 横川~軽井沢 1997(H9).5.18 旧丸山変電所の前を通り過ぎ、横川に向かう特急「あさま」です。 |
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碓氷峠(23) 横川~軽井沢 1997(H9).5.18 115系の普通列車です。3両編成でもEF63形2両の後補機が付いていました。 線路をまたぐ斜張橋は、上信越自動車道の碓氷橋です。 |
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碓氷峠(24) 横川~軽井沢 1997(H9).5.18 軽井沢に向け、EF63形に後押しされながら碓氷峠を上る特急「あさま」です。 |
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碓氷峠(25) 横川~軽井沢 1997(H9).5.18 復刻塗装のEF63形を先頭にした特急「白山」です。 旧丸山変電所横のカーブを曲がります。 |
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碓氷峠(26) 横川~軽井沢 1997(H9).5.18 上の写真とほぼ同じ場所です。 特急「あさま」が坂を下ります。 |
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碓氷峠(27) 軽井沢駅前 1997(H9).5.18 駅前に保存されていたアプト式の10000形電気機関車です。 横川~軽井沢間が電化された1912年から使用を開始した国鉄最初の電気機関車で、後にEC40形と形式変更、鉄道記念物になっています。 →wiki- EC40形電気機関車 |
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碓氷峠(28) 中軽井沢 1997(H9).5.18 最後の写真はオマケです。 このページには特急「あさま」がよく登場しましたので、浅間山を背景にした特急「あさま」です。 |
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参考図書:『日本鉄道名所5 中央線上越線信越線』小学館1986.10発行