室木線のハチロク   北九州の室木線を走っていたハチロク(8620形蒸気機関車)の記録です。

室木線の地図 国鉄室木線は、鹿児島本線の遠賀川から室木まで11.2kmの路線で、左の地図のように、筑豊本線から数キロ離れたところを並行して走っていました。終点室木の約5km東に、筑豊の鉄道網の中心:直方駅がありました。 この室木線は、筑豊の他の路線と同じように石炭を運ぶために建設された路線ですが、筑豊炭田の衰退と共に貨物もお客も減少し、国鉄再建法で、特定地方交通線の第1次廃止対象路線となり、1985(昭和60)年に廃止されました。
私が室木線を訪問したのは、1971(昭和46)年8月3日でした。九州蒸気機関車巡りの最後に訪ねました。当時の時刻表がないので詳細不明ですが、この室木線には1日6往復程度の列車が走っていて、しかもその列車全てが蒸気機関車牽引の客車列車でした。

←左の地図は、国土地理院1/20万「福岡」 S47.9.30発行より
↓室木線@ 室木 1971(S46).8.3

ハチロクの牽引する客車列車に乗って室木へ到着しました。機関車は早速、機回し入換です。
駅の奥のほうには、コンクリート造りの石炭積み込み設備の廃墟がありました。
←交通公社の時刻表より
  上段が1970(S45)年
  下段が1972(S47)年です

1日7往復から6往復に減っています。
肝心な1971(S46)年の時刻表はありません。

室木線A 室木 1971(S46).8.3

室木駅停車中の8620形蒸気機関車38629号を見ている親子です。

駅構内は、駅裏から駅前へ抜ける自由通路になっていました。
日傘を差した女性が横断します。
室木線B 室木 1971(S46).8.3

室木駅の全景です。

留置してある石炭貨車がローカルなムードを盛り上げてくれました。

手前が遠賀川方で、駅の向こう側には、その後新幹線が建設されることになり、この室木駅から新幹線の工事現場まで専用線が敷設され、室木駅構内が工事基地となったということです。
Wikipedia参照
1972(昭和47)年9月に山陽新幹線の室木軌道工事区設置と書いてありますので、この写真を撮った1年後ということになります。
その山陽新幹線は、1975(昭和50)年3月10日に博多駅まで開業しました。
 
室木線C

室木〜八尋 1971(S46).8.3

遠賀川行きの列車が出発しました。

室木駅から少し歩いて、炭住街の裏のボタ山跡に上り、室木を出発したハチロクを撮りました。
 
室木線D

室木〜八尋 1971(S46).8.3

次の室木行きは、上のCを撮った場所から線路を挟んで反対側の山に登り、役目を終えた炭住街とボタ山跡をバックに、バック運転のハチロクを撮りました。
 
室木線E

室木〜八尋 1971(S46).8.3

次の遠賀川行きは、セフを1両中に入れた混合列車でした。
軽トラックに邪魔をされましたが・・・

 
室木線F

室木〜八尋 1971(S46).8.3

上の写真Eの混合列車の後ろ姿です。
 
室木線G

室木〜八尋 1971(S46).8.3

折角の混合列車ですからもう1枚。

上の写真Fの続きです。
室木線H

室木〜八尋 1971(S46).8.3


こんな、うらぶれた風景が気に入って、上の写真Dと同じ場所で待ちました。

待っていると、デフ付きのハチロクがやってきました。
機関車を入れ換えてきたみたいです。

室木線I

室木〜八尋 1971(S46).8.3

上の写真Hの続きです。
同じ場所から撮った写真ですが、こちらは普通の山村の風景です。

この写真を最後に、九州の蒸気機関車撮影旅行を終了し、夜行列車で名古屋へ帰りました。
 
 津島軽便堂Topページへ戻る